感染拡大で長春市がロックダウン状態に

(中国)

大連発

2022年03月15日

中国・吉林省での新型コロナウイルス感染者数が急増している。3月12日における同省の新規感染者数は1,412人(うち長春市831人、吉林市571人、延辺朝鮮族自治州9人、四平市1人)と、中国全体(1,807人)の感染者数を踏まえても、同省の感染状況は突出している。

同省の中で、日系企業が多く進出する長春市では感染急拡大を受けて3月11日、市政府当局が「動態(ダイナミック)ゼロコロナ」政策(注)を強化し、市内での封鎖管理の実施を発表。指定スーパーマーケットを除き、飲食店などの店舗が全面的に閉鎖された。公共交通機関もストップし、一般車両の通行規制が厳しくなった。

自動車関連企業が多い長春市には大手国有自動車メーカーの第一汽車集団(グループ)があるが、同グループは現在、生産停止となっているもようだ。日系企業も所在地の政府当局から企業活動を停止するように通達されており、再開の通達があるまで、社員は自宅待機を余儀なくされているという。現状(3月15日朝時点)では、長春市内の企業活動が再開される見通しは立っておらず、経済活動への影響は避けられない。

2020年12月に大連市で新型コロナウイルスの感染が拡大した際には、日系企業が集中する金普新区の一部がロックダウン状態となった。封鎖解除まで1カ月程度を要し、この間、一部の企業では数百人から数千人の従業員が出勤できず、生産活動に大きな影響が生じた。

(注)中国政府は、現在展開している「動態(ダイナミック)ゼロコロナ」政策について、国内の「感染者の発生をゼロにする」ものではなく、感染者の能動的かつ迅速な発見を行い、感染者に対して速やかに疫学的調査、診断、隔離、治療を行い、感染のコミュニティ(社区)における持続的な伝播(でんぱ)を防ぐという防疫戦略としている

(重岡純)

(中国)

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