カナダ・ケベックのスタートアップがゼロエミッション電動バス発表、三井物産が出資

(カナダ、日本、米国)

トロント発

2022年03月03日

米国三井物産が出資しているカナダ・ケベック州のスタートアップ、レテンダは2月24日、新世代のゼロエミッション電動バス「エレクトリップ」を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。一般的にこれまで、電気自動車は寒冷な気候での走行に不安があったが、カナダの冬の条件下で特別に設計したバスという触れ込みだ。

カナダ三井物産の坂口薫氏によると、レテンダの創業者は元ボンバルディアの航空宇宙エンジニアで、バスのデザインは航空機の構造コンセプトから大きな影響を受けている。例えば、乗客のキャビンには廃棄処理後のエアバスA300の胴体の断熱材を再利用しており、サステナビリティーの意識が高い。また、アルミ製のボディーは航空機と同一のリベットを採用しており、軽量かつ強度が高く、溶接不要となっている。

写真 電動バス「エレクトリップ」(カナダ三井物産提供)

電動バス「エレクトリップ」(カナダ三井物産提供)

エレクトリップは、6年の研究を経て開発した全長9メートルの超軽量中規模バスだ。低床化した乗客エリアには、24席、車いす最大6台を含む45人が収容できる。また、最新のインテリジェントカーや自動運転技術との統合を容易にするよう設計しているという。

ケベック州のピエール・フィッツギボン経済イノベーション相兼地域経済開発担当相は「ケベック州経済の電化は州政府の優先事項で、特に運輸の分野では重要だ。レテンダによるゼロエミッションの市バスの発売は、ケベックが商用電気輸送部門で卓越するために必要な全ての専門知識を持っていることを示している。このような実績があるからこそ、バッテリー、商用電気自動車、バッテリーリサイクル、グリーンエネルギー分野で成功するエコシステムを構築できる」と述べた。

坂口氏はブラック ジャック 確率取材に対し、「三井物産は、気候変動をサステナビリティー経営の重点課題の1つに特定し、世界のさまざまな国・地域の経済・社会の発展と、気候変動の緩和と適応といった地球規模の課題の解決の両方に、グローバルに幅広い事業活動を通じて貢献している。レテンダはこの志を北米で具現化するプロジェクトの1つ」と語った。

写真 カナダ三井物産の坂口薫氏(カナダ三井物産提供)

カナダ三井物産の坂口薫氏(カナダ三井物産提供)

(江崎江里子)

(カナダ、日本、米国)

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