4月1日以降、旅行者も「ワクチン完了ステータス」に留意が必要
(マレーシア)
クアラルンプール発
2022年03月31日
マレーシアでは4月1日以降、シノバック製ワクチンを2回のみ接種した者と、ブースター接種を行っていない60歳以上の高齢者(1回目、2回目のワクチン種は問わず)は、ワクチン接種完了ステータスを失う。接種状況ごとのステータスの定義はMySafetravelで確認できる。同日以降に入国する日本人を含む旅行者にも適用する。
カイリー・ジャマルディン保健相は、3月24日時点で対象者のうちブースター接種を済ませていない者が約200万人に上る見込みだと発表していた。マレーシアの成人人口に占めるブースター接種率は29日時点で66.8%で、1カ月前と比べて約5ポイントの上昇にとどまる。現在のところ、ブースター未接種による罰則規定などは予定されておらず、飲食店やモールへの入場も許可されるが、政府の新型コロナ対策アプリ「MySejahtera(マイセジャテラ)」のプロフィール上は「ワクチン接種未完了」表示となる。施設入場時の体温測定義務は2月に撤廃したが、アプリを使用した入場記録は4月以降も引き続き必要だ。なお、ワクチン完了ステータスを失っても、同アプリ内に登録した過去2回のワクチン接種証明が消失するわけではない。
入国時手続きで監視強化
ワクチン接種状況に応じて検査や隔離の運用も異なるため、4月1日以降にマレーシアに入国する出張者や旅行者も留意が必要だ(2022年3月29日記事参照)。日本人に関しても、60歳以上でブースター接種を受けていない場合など、上述のワクチン接種完了ステータスを満たしていないと、入国時に5日間の隔離対象となる。
入国時のフローについては、保健省が27日にもあらためてチェックリストを公表。到着後24時間以内に空港内の医療施設、もしくは任意のクリニックなどで専門家による迅速抗原検査を受ける必要がある。検査可能な病院・クリニックは保健省ウェブサイトで確認できる(「SENARAI FASILITI SWASTA YANG MENJALANKAN SARINGAN COVID-19 DI DALAM KAWASAN PREMIS」部分を参照)。この迅速抗原検査を拒否した場合には、強制送還される可能性もあると、カイリー保健相は表明している。また、クアラルンプール国際航空(KLIA)では、感染予防策が徹底されているかを監視すべく、メインターミナル(KLIA1)と格安航空専用ターミナル(klia2)に100人の警察官を配備する。
(吾郷伊都子)
(マレーシア)
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