2022年の南アの施政方針演説、経済低迷からの脱却に5つの柱
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2022年02月17日
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は2月10日、2022年の施政方針演説(SONA)を行った。例年はケープタウンにある国会議事堂で演説していたが、1月に火災被害にあったため、ケープタウン市庁舎で行った。大統領は、2022年に政府が重点的に取り組むべき5つの柱を次のとおりとした。
- 新型コロナウイルスの克服
- インフラ事業の大規模な展開
- 国内製造業の活性化
- 生活支援と雇用創出に向けた促進策
- 発電能力の増強
2021年に引き続き、新型コロナウイルスに関する取り組みを最優先事項として位置付けた。大統領は、国民健康保険法やその他関連法案にかかる感染予防措置が決定次第、2020年3月から継続している「国家的災害事態」(関連ブラック ジャック ディーラー)を解除する予定とした。
大統領はまた、前年の失業率が過去最高水準に達したことに触れ、最大の要因である経済低迷を脱するために、不安定な電力供給や非効率な鉄道、港湾に対する構造改革を加速させると述べた。具体的には、現在実施している再生可能エネルギー独立発電事業調達計画(REIPPPP)について、6回目の260万キロワット(kW)の調達を近く入札公告する予定だ。さらに、2022年の後半にはガス発電所で300万kW、蓄電池貯蔵で50万kWを調達すると説明した。電力公社エスコムは12月末までに送電関連の子会社を設立予定だ。大統領は電力市場の自由化も目指し、電力規制法改正に関するパブリックコメントを募っていることも報告した。運輸公社トランスネットの改革にも触れ、4月から民間セクターが貨物鉄道網にアクセス可能となるよう準備し、ダーバン港の運営についても民間とのパートナーシップを強化する予定だ。
政府はその他、中小企業やインフォーマルセクターに関連する法案の見直し、投資環境の改善や、産業用大麻の規制を緩和して合法的な栽培を可能とすることで、13万人の雇用を創出することをもくろんでいる。
3月24日にはヨハネスブルクで第4回「南アフリカ投資会議」を開催することを発表。同会議では、これまでの公約に関する進捗状況を報告し、投資機会の紹介を行う。
(堀内千浪)
(南アフリカ共和国)
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