2022年1月の自動車生産台数、工場稼働日減により減少
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2022年02月08日
アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は2月3日、1月の自動車(トラック、バスを除く)の生産台数と輸出台数を発表した。生産台数は前月比53.2%減、前年同月比23.2%減の1万8,651台、輸出台数は前月比52.6%減、前年同月比22.2%減の9,298台だった(添付資料図1、2参照)。輸出相手国第1位でシェア49.9%のブラジル向けが前年比43%減少した影響が大きかった(添付資料表参照)。
生産台数の落ち込みは、工場稼働日が少なかったことが主な要因だ。1月の稼働日は9日間と、前年1月の17日と比べて少なかった。2月3日付の現地紙「クラリン」(電子版)は、稼働日が少なかった理由として、バケーションシーズンであったことや、部品不足などによる生産ラインの調整、新型コロナウイルス感染拡大による従業員の欠員を挙げている。
1月の自動車の国内販売は堅調な滑り出しとなった。だが、年間の国内販売台数見通しは厳しい。アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、1月の自動車国内販売(新車登録)台数(トラック・バスを含む)は、前月比2.5倍、前年同月比13.2%減の4万2,449台だった(添付資料資料図3参照)。ACARAによる2022年の自動車販売台数の見通しは40万台。ただ、1月20日付現地紙「クラリン」(電子版)は38万台にとどまるとの見方を伝えている。外貨不足が深刻化し、年初以来、自動車の輸入許可が下りづらい状況で、この先も需要を満たすだけの供給が難しいためだ。先行き不透明な国内経済を背景に、公式為替レートと非公式為替レート(通称ブルーレート)の乖離幅が100%を超える状態が続いているため、ドル保有者にとっては自動車が割安になる。この状態は当面続きそうだ。
(西澤裕介)
(アルゼンチン)
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