公共サービスの外資規制緩和法案が議会を通過、大統領の署名待ち
(フィリピン)
マニラ発
2022年02月14日
フィリピン議会は2月2日、両院協議会が提出した公共サービス法の改正法案を可決した。今後、同法案は大統領の署名を経て、成立する。
1936年に成立した現行の公共サービス法は、フィリピン人もしくはフィリピン人が60%以上出資する企業だけに「公益事業」の運営・管理業務への参入を認めている。しかし、同法では「公益事業」の定義が明確でなかったため、これまで幅広い分野が「公益事業」とみなされ、外資系企業がフィリピンにおいてビジネスを行う上での参入障壁となっていた。同改正法案によって、「公益事業」の定義を明確化するとともに、フィリピンにとって外資参入を期待する分野について外資の出資比率の上限を撤廃し、経済活性化へとつなげることが、フィリピン政府の狙いだ。
フィリピン貿易産業省(DTI)の発表および現地紙報道によると、改正法案の概要は以下のとおり。
- 「公益事業」は、電力の送配電、石油および石油製品のパイプライン輸送システム、上下水道、港湾、公共交通車両を指す。
- 通信、輸送業、航空運送業、鉄道・地下鉄などの分野において外資出資規制を緩和する。
- 重要なインフラストラクチャーの運営・管理に従事する会社に対して、外国籍の者が当該企業の資本を50%以上保有することについて禁止する。ただし、相手国がフィリピン国籍の者に対して互恵的にこれら分野企業への投資を認める場合を除く。
- 外国籍の者あるいは外資系企業の支配へと帰結する、公共サービス分野での合併、買収、または投資に対して、大統領は当該取引を保留もしくは禁止する権限を有する。
(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)
(フィリピン)
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