米EVメーカーのテスラ、2021年の新規登録台数で上位10位入り
(シンガポール)
シンガポール発
2022年02月10日
シンガポール陸運庁(LTA)の2022年1月発表の新車登録統計によると、2021年に同国で新規登録された米国の電気自動車(EV)メーカー、テスラのEVは924台となり、メーカー別で上位10位にランク入りした(添付資料表参照)。テスラは、2021年2月にシンガポールのオンライン販売サイトを開設後、同年7月29日から購入者へのEVの引き渡しを始めたばかり。2021年に新規登録されたテスラのEV924台のうち、894台が同年7~12月に新規登録された。
LTAの統計によると、同国のEVは2020年末には1,217台から、2021年末時点の2,942台へと2倍以上に増加した(注)。EVの増加には、政府の積極的な支援が背景にある。政府は2021年1月に、EVを対象に追加登録料(ARF)の45%を払い戻す「EV早期採用インセンティブ(EEAI、期限:2023年末まで)」を導入した。また、同年同月から低排出ガス車の購入について払い戻しを行う「乗用車排出スキーム(VES)」の強化版も開始している(2021年4月28日付地域・分析レポート参照)。シンガポールEV協会(EVAS)によると、EEAIとVESの強化版を適用すれば、最大4万5,000シンガポール・ドル(約387万円、Sドル、1Sドル=約86円)が実質的にEV購入費から差し引かれることになる。
既存のEV充電スタンドは2,200カ所、2022年には公共駐車場に約600カ所追加設置予定
しかし、EVは2021年末時点で、同国の全乗用車台数(64万5,150台)の1%未満にとどまる。政府はEV普及の環境を整備するために、2021年2月に発表の環境行動計画「シンガポール・グリーンプラン2030」で、EVの充電スタンドを2030年までに6万カ所設置するとの目標を設定した。S.イスワラン運輸相は2022年1月10日、国会質問への書面回答で、2021年時点でEV充電スタンドが約2,200カ所あり、このうち約300カ所が民間事業者により2021年に設置されたことを明らかにした。また、同運輸相は、LTAと都市再開発庁(URA)の2022年に実施予定の共同実証事業で、公共駐車場に600カ所以上の充電スタンドを設置予定だと述べた。
(注)このほか、2021年末時点で、ガソリンと電気のハイブリッド車は5万4,820台(前年比1万2,975台増)で、さらにプラグイン・ハイブリッド車が692台(140台増)だった。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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