世界最大のカシューナッツ生産国、加工量は世界3位に

(コートジボワール)

アビジャン発

2022年02月22日

世界最大のカシューナッツ生産・輸出国(未加工)のコートジボワールで2月4日、新収穫年度(2022年2月~2023年1月)のカシューナッツ出荷が始まった。生産者最低買い上げ価格は需給バランスを反映し、国際市況の値動きが1トン当たりCIF価格1,200ドルの見通しに立ち、前年度と同じ1キログラム当たり305CFAフラン(約61円、1CFAフラン=約0.2円)を維持した。政府は生産性の向上や品質の改善、現地加工の促進に取り組んでおり、2022年度の生産量は過去最高の104万トンに達する見通しだ。国内加工量は生産量の約17%に当たる18万トンを見込んでいる。

綿花・カシューナッツ評議会(CCA)のヤセンテ・ワタラ会長は記者会見で、2021年度のカシューナッツ生産が前年度比14.1%増の96万8,676トンとなり、過去最高を更新したことを明らかにした。これは世界生産量の25%に当たる。また、未加工カシュー輸出量は80万5,748トン、国内加工量は13万6,854トンとなり、それぞれ世界1位、世界3位(アフリカ1位)の地位を維持したと述べた。当該年度のカシューナッツ出荷は、最低買い上げ価格の順守と、国境での密輸監視強化により安定して推移し、農家所得が2020年度に2,970億CFAフランから2021年度3,390億CFAフランに14%増加したと評価した。

コートジボワールの通関統計によると、主な輸出先は、未加工カシューがベトナム、インド、むき身カシューがベトナム、米国、中国、イタリア、ベルギー、オランダとなっている。

カシューナッツは輸出総額の7%を占める主要産業だ。カシューナッツ農家は全国で40万戸を数え、加工・流通など関連部門を含めると数百万人が同産業で生計を立てているとみられる。そのため、同産品の価格動向は経済に大きな影響を与えており、政府は国際市況の変動に左右されない産業構造・経済システムの構築を目指し、奨励制度や優遇措置の導入などにより、現地加工率を現在の14%から2025年までに50%にまで引き上げることに取り組んでいる。

CCAのアダマ・クリバリ理事長は「加工業者は、CCAが銀行に預け入れた52億CFAフランの保証金を担保に、158億6,000万CFAフランに上る原料購入資金を調達した。また、これまでに加工業者へ支払われた奨励金は280億CFAフラン」とコメントした。これらの措置に加えて、政府は加工品への輸出税免除や、加工業者に対する設備機械・部品の輸入に掛かる関税と付加価値税の免除、税額控除などの優遇措置を導入している。併せて、カシューナッツの主要生産地帯に順次、工業団地の造成を進めており、入居者への、優遇措置を見込んでいる。前年度には東部地方のボンドゥクと北部地方のコロゴに工業団地が造成された。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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