米ニューヨーク市、9割超が深刻な治安悪化を実感、米大学世論調査
(米国)
米州課
2022年02月15日
米国コネチカット州のキニピアク大学は2月9日、ニューヨーク市の治安や新市長に関する世論調査結果(注1)を発表した。
ニューヨーク市では、「新型コロナ禍」の中、治安の悪化が懸念されており、市内の治安悪化が深刻とする割合は95%に上った。内訳では、非常に深刻が74%、ある程度深刻が21%だった。
5年前と比べた近隣の治安状況について、4割弱(39%)が悪化したと回答した。50%は状況が同程度と回答し、治安が改善されたとの回答は9%だった。
他の大都市と比較した場合のニューヨーク市の治安状況については、43%が悪いと回答した。同程度と回答したのは36%、良いとの回答は16%だった。
日中にニューヨーク市の地下鉄を利用することについては、4割が不安を感じるとしている。内訳は、非常に不安が21%、ある程度不安が19%。
ニューヨーク市の銃規制については、58%がより厳しくすべきと回答した。
また、ホームレスの問題について、深刻と回答した人は98%に上った。内訳では、非常に深刻が83%、ある程度深刻が15%。68%が5年前と比較して、路上生活者が増加したと回答。
ニューヨーク市が対処すべき緊急課題については、「犯罪」が46%と圧倒的に高く、「手頃な価格の住宅供給」(14%)、「ホームレス」(9%)、「新型コロナウイルス」(8%)、「インフレ」(5%)が続いた。
アダムス新市長の支持率は46%
2022年1月に着任したエリック・アダムス市長(注2)の支持率は、46%と過半に届かなかった。しかし、同氏のリーダーシップの資質につては68%が評価しており、今後4年間のアダムス市長の治政については、64%が楽観視していると回答した(悲観視は27%)。
キニピアク大学の世論調査アナリストのメアリー・スノウ氏は「さまざまな問題に直面しながらも、アダムス市長が強力なリーダーシップの資質を持っているという見解に助けられている」と述べた。
(注1)実施時期は、2022年2月3~7日。対象者は、ニューヨーク市の有権者1.343人。
(注2)エリック・アダムス氏は、2021年11月の市長選挙で66%以上の得票率で当選した(2021年11月4日記事参照)。
(松岡智恵子)
(米国)
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