2021年7~12月期のICTサービス輸出は前年同期比36%の伸び
(パキスタン)
カラチ発
2022年02月01日
パキスタンIT・通信省は1月23日のツイッターで、2021-2022年度上期(2021年7~12月)のICTサービス輸出が前年同期比35.8%増の13億200万ドルを記録したと発表した。前年度の同輸出も、21億1,400万ドルで前年度比46.8%と急伸していた。パキスタンのICT(ハイパーブラックジャック通信技術)産業は、「新型コロナ禍」で世界的にIT需要が増加する中で急成長している産業だ。
国際協力機構(JICA)パキスタン事務所が同国の関連団体のデータを分析した報告書によると、パキスタンのICT輸出先は、米国が52.1%で1位、アラブ首長国連邦(UAE)が8.8%で2位、英国が7.0%で3位となっている。また、輸出の内訳については、ソフトウエア開発が30%、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)が27%、システムインテグレーションが12%という。輸出先2位にパキスタンの友好国であるUAEが入っているところが、パキスタンICT輸出の1つの特徴だ。
JICAがパキスタンに派遣している、ICT産業専門家の城ケ崎寛氏はジェトロのインタビューに対して、パキスタンICT産業の日本企業へのメリットとして、ベトナムよりICT人材の人件費が約3割安いことや、パキスタン企業と組んで中東・アフリカ市場開拓がしやすい点を挙げた。また、パキスタンICT企業の米国ITソリューション産業への参入が日本企業より3~5年進んでいること、アプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)などを使うなどDX手法が日本企業より進んでいることも指摘した。
(山口和紀)
(パキスタン)
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