コロンビア政府、ロッテルダム港と水素輸送で覚書を締結
(コロンビア、オランダ)
ボゴタ発
2022年02月10日
コロンビア鉱山エネルギー省は2月4日、水素輸送のためのハブとなることを目指すオランダのロッテルダム港と了解覚書(MOU)を締結したことを発表した。水素による発電に関する研究や水素輸送のノウハウ共有といった面で協力が促進される。
ディエゴ・メサ鉱山エネルギー相は「水素の開発によりコロンビアは今後10年間で250万トンから300万トンの二酸化炭素(CO2)を削減できるとともに、エネルギー集約型産業の脱炭素化と国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で定められた目標達成に必要なこのエネルギー源の輸出国になる可能性がある」と期待を寄せる。ロッテルダム港のレネ・バン・デル・プラス国際局長は「コロンビアはグリーン水素の生産に有利な位置にある。この覚書によってオランダとコロンビアの協力関係が活性化し、両国企業のノウハウ共有が進み、共同でビジネスに取り組めるようになることを望む」とコメントしている。
政府は2021年9月、水素戦略に関するロードマップを発表(2050年にブラック ジャック)し、2030年までに電気分解設備の容量を合計1~3ギガワットに、グリーン水素の製造コストを1キログラム当たり1.7ドルとする、水素を利用する一般自動車1,500~2,000台、大型車1,000~1,500台を導入するといった具体的な数値目標を示している。
石油公社エコペトロールは、電気分解パイロットプラント稼働のため2022年に600万ドルの投資を予定している。大手ガス輸配送会社プロミガスは、水素のモビリティ分野への活用、天然ガスとの混合、発電、水素生産の4分野での事業展開を目指していることを明らかにしている。このほか、ガス輸配送会社TGI、外資勢ではドイツのシーメンス、フランス電力公社(EDF)の関連会社など計8社が水素戦略に関するロードマップ実行に当たって、計画に参加表明する文書を政府に提出している。2021年5月には初の水素関連業界団体であるコロンビア水素協会(Hidrógeno Colombia)が設立され、現在、内外の13社が加盟している。
(豊田哲也)
(コロンビア、オランダ)
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