サンクトペテルブルク、新型コロナ対策の未成年者向け行動制限を解除

(ロシア)

サンクトペテルブルク発

2022年02月16日

ロシアのサンクトペテルブルク市は2月14日、新型コロナウイルス対策として市内の18歳未満の未成年者に課していた行動制限を解除した。

同市政府は2月2日から飲食店やショッピングセンター、美術館、映画館などへの未成年者の入場を禁止した。また、日本の中学生から高校生に相当する7年生から11年生にリモート学習を義務付けるとともに、全てのクラブ活動も中断を余儀なくされていた。

一連の制限はビジネスに大きな打撃を与えた。地元ビジネス紙「実業ペテルブルク」(2月11日、14日)は今回の「子供向けロックダウン」による経済的損失を15億ルーブル(約22億5,000万円、1ルーブル=約1.5円)と見積もっている。市内のショッピングセンターの来場者は前年の同時期と比べ15~18%の落ち込みを見せたほか、温水プールなどを有するテーマパーク「ピーテルランド」は制限の導入により80%の客を失ったとしている。

また、授業のオンライン化に伴い、家庭で子供の面倒を見なければならない親の欠勤が増え、日系企業を含めた製造現場では生産ラインに大きな影響が出ていた。

制限解除の歓迎ムードが漂う一方で、感染状況の改善は見られない。14日の市内の新規感染者数は1万1,384人。過去最高の新規感染者数だった11日(2万2,070人)から半減したものの、連邦構成体別ではモスクワを抜いて4日連続で全国最多を記録している。

市内では1月2日から非食料品店への入場やレストラン、カフェでの店内飲食に際してワクチン接種の電子証明書(QRコード)の提示が求められるなど、市独自の厳しい感染対策が続いている。

(島田憲成)

(ロシア)

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