政府、2022年の強化支援の対象となるフレンチテック120社を選定

(フランス)

パリ発

2022年02月07日

フランス経済・財務・復興省は2月1日、ユニコーン(注)の創出とスケールアップ企業の育成に向け、2022年の強化支援の対象となるスタートアップ企業120社「フレンチテック・ネクスト40/120」のリスト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。

同リストは、毎年公募により選定(再選定)されるもので、ユニコーンと過去3年間の資金調達額が1億ユーロを超える「ネクスト40」と名付けられた有望スタートアップ企業40社と、過去3年間にエクイティファイナンスにより2,000万ユーロ以上の資金調達を実現した企業40社、年間売上高が500万ユーロ以上で過去3年間の売り上げ増加率が50%以上(売上高1,000万ユーロ超の企業は同25%以上)の企業40社から構成される。

今回で3回目の選定となる「フレンチテック・ネクスト40/120」には280社が応募し、審査の結果、2021年に選定された企業から36社が入れ替わった。今回、選定された120社を業界別にみると、小売り(19%)、ヘルスケア(18%)、フィンテック(17%)が大きな比重を占めた。また、「ネクスト40」には新たに、IAD(不動産仲介サービス)、ソラーレ(ブロックチェーンサッカーゲーム)、デンタル・モニタリング(人工知能を利用した矯正歯科治療用ソフトウエア)、ロフト・オービタル(人工衛星のライドシェアサービス)、デカルト・アンダーライティング(気候リスク保険)、360ラーニング(共同学習用プラットフォーム)、マルト(フリーランサーの仲介プラットフォーム)、リフェン(医療業界のデジタルインフラ構築)の8社が加わった。

2022年に選定された企業の規模をみると、1社当たりの資金調達額は3,000万ユーロ超、年間売上高も1,800万ユーロ超で、それぞれ2021年の2,300万ユーロ超、1,400万ユーロ超から増大した。これに伴い、120社による雇用創出数も、2022年は合わせて1万9,000人と2021年の1万人を大きく上回る見通しだ。

政府は、関連する公的機関のエキスパート60人を動員し、これらの企業が急成長に伴い直面する経営課題について、各社の状況に応じたきめ細やかな支援を行っている。2021年は、融資審査における信用格付けの改善や国際税務上のリスク回避などについて、フランス銀行やフランス公共財政総局が経営支援を行った。

(注)フランス政府の定義によると、評価額が10億ドル以上の非上場企業。

(山崎あき)

(フランス)

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