2021年の自動車生産台数、1956年以来の低水準、電動車はシェア伸長

(英国)

ロンドン発

2022年01月28日

英国自動車製造者販売者協会(SMMT)は1月27日、2021年の国内自動車生産台数を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。総生産台数は前年比6.7%減の85万9,575台で、1956年以来最低、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年比34.0%減となった(添付資料表1参照)。総生産台数の82.1%を占めるブラック ジャック 確率輸出向け生産は前年比5.8%減、国内向けは10.6%減となっている。

SMMTは、2021年の生産台数の低迷は世界的な新型コロナウイルス感染拡大が直接的な影響とした。部品供給が大幅に制限される中で工場が減産または一時稼働停止を余儀なくされたことや、ロックダウン(都市封鎖)に伴う数カ月間のショールーム閉鎖による需要減、自主隔離による人手不足などの影響があったとした。

一方で、バッテリー電気自動車(BEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)は記録的な生産量となり、これらの電動車は22万4,011台で、総生産台数の26.1%を占めた。中でもBEVの生産台数は前年比72.0%増と大きく伸長した。

英国の自動車製造は2021年も引き続き輸出が牽引し、国内生産の自動車の8割以上がブラック ジャック 確率に輸出された。英国の最大の輸出先はEUで、英国とEUの通商・協力協定(TCA)から生じるコストなどにもかかわらず、シェア55.0%と前年比1.5ポイント増で、輸出台数は38万8,249台となった。なお、SMMTは2021年4月に実施した会員向け調査結果を紹介し、91%の回答企業が英国のEU離脱(ブレグジット)移行期間中の2020年に比べて英EU間の貿易管理により時間とコストがかかっているとしていた。

EU以外の主要輸出先では、米国が前年比10.5%減、日本が36.1%減、カナダ、オーストラリア、韓国はそれぞれ5.3%減、31.1%減、29.7%減となった。中国は同国の好調な市場と英国の高級車などに対する需要が影響し、0.6%増と健闘した。

メーカー別の生産台数では、日産が前年の1位から順位を1つ落とし2位となり、トヨタが4位、ホンダが5位となった(添付資料表2参照)。

SMMTのマイク・ホーズ会長は「2021年も英国の自動車製造業にとって信じられないほど困難な年だった」とした一方で、「ブレグジットの不確実性がTCAによってほぼ克服され、(国内への)投資が活発化し、その多くが自動車産業のゼロエミッションの未来への移行に役立つだろう」と期待を示した。さらに、部品不足解消に向けたサプライチェーンの支援に加え、緊急性の高いエネルギーコスト上昇への対策が必要とした。

(宮口祐貴)

(英国)

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