ライーシー・イラン大統領がロシア訪問、プーチン大統領と会談
(イラン、ロシア)
テヘラン発
2022年01月24日
イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領は1月19日、ロシアの公式招待に応え、ホセイン・アミール・アブドゥラヒヤーン外相とともにモスクワを訪問し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と会談した〔1月19日付イスラーム共和国通信(IRNA)〕。
ライーシー大統領は、両国関係はさらに拡大するとし、相互協力の強化は両国に経済的繁栄をもたらすと述べた。また、NATOの中央アジア・コーカサス地域への拡大は、当該地域の独立国の共通の利益にとって脅威をもたらすとした(1月19日付IRNA)。
プーチン大統領も、シリアなどでのテロとの国際的な戦いを両国が支援したことを強調するとともに、両国間の貿易は新型コロナウイルス禍にあっても6%増加したとし、今後も両国の経済関係を強化することを計画しているとした(1月21日付IRNA)。
2日間のモスクワ滞在を終えたライーシー大統領は帰国後、モスクワ訪問の成果を記者団に説明する中で、両国の関係拡大は地域と国際社会の安全を確実に強化するだろうと述べた。また、銀行と金融問題に関する両国間の協議について、両国は銀行や金融におけるドル支配を打破する方向に進み、自国通貨を使用して取引を行うことができるだろうとした。
また、両国は貿易交流の障害を取り除くことに合意したとし、最初のステップとして、2国間貿易額を100億ドルに増やすことに合意したと述べた。さらに、イランのチャーバハール港を経由するモスクワまでの物流インフラ整備、いわゆる南北輸送回廊については、イランから近隣諸国への物流の短縮に資するとし、両国間で運営に合意したとした。
ライーシー大統領は、今回のプーチン大統領との会談内容が間もなく機能することに期待を寄せて、この訪問が友好的な近隣諸国との関係を強化するターニングポイントになるだろうと述べた(1月21日付IRNA)。
アブドゥラヒヤーン外相は、会談は友好的に開催され、両大統領は政治的・戦略的トピックから経済、貿易、文化、科学技術協力、民間ビジネスまで広範囲について話し合ったと述べ、両大統領の指示に基づいて、両国外相は今後20年にわたる相互協力のロードマップの作成に入るとした(1月19日付IRNA)。
(鈴木隆之)
(イラン、ロシア)
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