ブラック ジャック 確率、前年比2桁増に

(シンガポール)

シンガポール発

2022年01月28日

シンガポール建設庁(BCA)は1月26日、2021年の建設受注高(埋め立て工事を除く)が暫定値で299億4.000万シンガポール・ドル(約2兆5,449億円、Sドル、1Sドル=約85円)となり、前年比で42%増加したと発表した。BCAによると、建設受注高が大幅増となったのは、人件費の上昇に加え、鉄筋やコンクリートなどといった建設資材のコスト増に伴って入札価格が上昇したことが主な要因。同国の建設受注高(公共・民間工事合計)は新型コロナウイルスに伴う工事の一時停止や外国人労働者の間での感染拡大などにより、2020年に210億4,000万Sドルと前年比で37%減少していた(添付資料表参照)。

2021年の部門別では、公共工事が181億6,000万Sドルと、前年比で49%増加した。特に、公共土木工事の受注高が前年比で99%増加の大幅増となった。同年の主な公共工事の受注案件としては、大量高速鉄道(MRT)新路線の「クロスアイランド線」と「ジュロン・リージョン線」のほか、マレーシア南部ジョホール州とシンガポールを結ぶ高速輸送システム(RTS)のトンネル工事、環境庁管轄の総合ゴミ処理施設などがあった。また、民間工事も前年比で33%増加した。住宅用の公有地が相次いで売り出されたのに加え、中古の高層住宅の再開発が増えたことで、民間住宅建設受注を押し上げた。しかし、BCAは2021年12月に住宅投機抑制策が導入されたことで、2022年には民間住宅建設の受注の伸びがやや軟化すると見込んでいる。

2022年以降も公共工事が建設受注高全体を牽引

BCAによると、2022年の建設受注高の予測は「270億~320億Sドル」で、このうち公共工事が「160億~190億Sドル」と約6割を占め、公共工事が建設受注高全体を牽引する構図は変わらない見通しだ。さらに、同庁は2023~2026年の年間建設受注高の見通しは「250億~320億Sドル」と予想し、このうち公共工事が「140億~180億Sドル」と、引き続き建設受注全体を支えると見込んでいる。2023年以降の建設受注の予測には、新型コロナウイルスに伴う渡航規制によって観光客の今後の見通しが不透明なため、チャンギ空港の新しい第5ターミナルの増設と統合型リゾート(IR)拡張工事は含まれていない。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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