テマセク基金、アジア最大級の環境技術公募を開始
(シンガポール)
シンガポール発
2022年01月17日
シンガポールの非営利団体、テマセク基金は1月14日、環境関連の先端技術を公募する「2022年ザ・リバビリティー・チャレンジ」の開始を発表した。同チャレンジは、優勝した企業・団体に最大100万シンガポール・ドル(約8,400万円、Sドル、1Sドル=約84円)の資金を供与するアジア最大級の環境技術の公募だ。
テマセク基金は2018年から先端技術を公募するチャレンジを毎年実施しており、2022年で5回目となる。今回の公募のテーマは、(1)脱炭素化、(2)食品・農業テック(フード・アグリテック)、(3)環境保全ソリューションの3つ。脱炭素化は、産業界での炭素排出を大幅に削減、または炭素をタンパク質や建設材料などに転換する技術のほか、低コストでの水素生産技術などを公募。また、食品・農業テックは、プラスチックなどのパッケージ削減やごみの再生技術のほか、食品などの製造活動に必要な土地や水、エネルギーを大幅に削減できる技術や、これまでにない新しい食品の開発技術などを求めている。さらに、環境保全については、東南アジアのマングローブや泥炭地(ピートランド)などの生態系保護に貢献する革新的なビジネスモデルを募集している。応募条件として、概念実証(PoC)の段階で、技術成熟度レベル(Technology Readiness Levels:TRL)6以上であるほか、シンガポールのような南国の都市環境に適した技術の必要がある。
公募は2022年4月1日に締め切られ、5月13日に最終選考者を発表する予定。最終選考に選ばれた企業・団体は6月中にピッチコンテストを行い、優勝者を決定する。今回のチャレンジの公募の詳細、申し込みについては、ザ・リバビリティー・チャレンジのホームページを参照。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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