4回目の新型コロナワクチン接種を開始、外国人の入国も再開へ
(イスラエル)
テルアビブ発
2022年01月06日
イスラエル保健省は1月2日、同省のナフマン・アッシュ次官が新型コロナウイルスワクチンの4回目接種について正式に承認したと発表した。60歳以上の高齢者と医療関係者が接種対象で、3回目の接種が完了してから4カ月が経過していることが条件となる。
今回の正式承認に先立ち、12月23日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙は、新型コロナワクチンの4回目接種について、当初予定していた12月26日には開始しないとの保健省の発表を報道していた。アッシュ次官は、オミクロン型変異株の重症化リスクがデルタ株と比較して低いとする英国のデータを詳細に検証するなど、これまで慎重に対応してきたとしている。
一連のオミクロン株への対応をめぐっては、1月4日付の同紙が「必要な措置は講ずるが、オミクロン株の感染拡大防止は困難」とするシャロン・アルロイ・プライス保健省公衆衛生サービス部門長の談話を報道。また、2日付BBCなどは、アッシュ次官の「(他の変異株に比べて重症化しにくいが感染力が強いとされる)オミクロン株への大量感染によって集団免疫を獲得できる可能性もあるが、実際には非常に多くの感染数が必要でリスクもあるため、ワクチン接種によって免疫を獲得する方が望ましい」との発言を報じていた。さらに、4日付「タイムズ・オブ・イスラエル」紙は、サルマン・ザルカ政府新型コロナウイルス対策本部長が集団免疫の獲得について否定的な意見を述べたと報じている。
そういう中で政府は、1月9日からオレンジ国に指定した国からのワクチン接種済み、あるいは感染から回復した外国人の入国再開を認める方針を決定した(1月3日付保健省)。
イスラエルでは、世界に先駆けて2020年12月からワクチン接種を開始し、いち早くワクチン接種の効果を検証するなどして(2021年7月28日記事参照)、各国からその動向が注目されてきた。2021年11月以降はオミクロン株が流行し、12月28日時点で1,741人の同株感染が確認された。1月3日時点の1日当たりの新型コロナウイルス新規感染者数は1万720人と、1カ月前の486人から急増している。
(吉田暢)
(イスラエル)
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