中国、ローンプライムレートを2カ月連続で引き下げ
(中国)
中国北アジア課
2022年01月21日
中国人民銀行(中央銀行)は1月20日、ローンプライムレート(以下、LPR)について、期間1年は3.80%から3.70%に0.10ポイント、期間5年以上は4.65%から4.60%に0.05ポイントそれぞれ引き下げると発表した。期間1年は2カ月連続の引き下げ()、期間5年以上は2020年4月以来1年9カ月ぶりの引き下げとなる。
中国人民銀行は、1月17日にMLF(注)期間1年の金利を2.95%から2.85%に引き下げており、MLF金利の引き下げに伴い、LPRも引き下げられた。中国人民銀行は経済成長の鈍化を受け(関連ブラック ジャック ルール)、金融市場への資金供給を進めており、今回の措置も金融緩和を通じた景気支援を狙いとしているものとみられる。
国金証券の趙偉首席経済アナリストは、中国人民銀行のLPR引き下げの発表を受け1月20日に同社レポートで、「期間5年以上のLPR引き下げは不動産に対する政策の変更を表しているものではないが、不動産市場などへの影響も考慮された可能性はある」「期間5年以上のLPRは個人向け住宅ローンのみならず、製造業、インフラ関連、サービス業などへの中長期貸出にも用いられる」と指摘した。
今回のLPR引き下げとともに、中国人民銀行は、LPR公表のための同行への報告対象銀行である18行から中信銀行と西安銀行を除外し、新たに中国郵政貯蓄銀行と南京銀行を追加すると発表した。また、金融市場の運営時間を考慮し、LPRの発表時間を毎月20日の午前9時30分から9時15分に変更した。
(注)Medium term Lending Facility:中期貸出ファシリティーを指す。中国人民銀行が資金供給を行うための金融政策手段の1つで、2014年9月に導入された。中国人民銀行は1週間以下の短期資金を公開市場操作にて供給し、3カ月から1年の資金はMLFを通じて供給している。MLFはLPRを算出する指針となる。
(亀山達也)
(中国)
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