タイ米USTR代表、台湾に代表処設置許可のリトアニアへ支援表明
(米国、中国、台湾、リトアニア、ドイツ、EU)
米州課
2022年01月06日
米国通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は1月6日、リトアニアのガブリエリウス・ランズベルギス外相とオンライン会談を行った。両氏の会談は10月25日以来となる。
リトアニアは2021年8月、台湾に対してリトアニアの首都ビリニュスに代表処の開設を許可して以来、中国から圧力を受けるようになり、中国は駐リトアニア中国大使を召還、リトアニアは在中国大使館を一時閉鎖する事態に陥った。
USTRのプレスリリースによると、タイ代表はランズベルギス外相に対し、「米国は中国から経済的な圧力を受けるリトアニアを継続的かつ強力に支援し、中国の抑圧的な外交的、経済的振る舞いに対処するため、EUやその加盟国と協力して対抗する」と表明した。
また、アントニー・ブリンケン米国務長官は6日、ドイツのアンナレーナ・ベーアボック外相との共同記者会見で中国について議論したことを明らかにし、「人口300万人足らずの小国リトアニアをいじめる中国の試みは差し迫った懸念だ。リトアニアが台湾との協力関係を拡大したことを理由に、中国は欧米企業に対し、リトアニア製の部品を使った製品の製造を停止しなければ、中国市場へのアクセスを失うリスクを冒すことになると圧力をかけている」と発言した。
EUでは、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が4日、リトアニアのイングリダ・シモニーテ首相と会談し、この貿易摩擦にかかるリトアニアへの支援について議論したことをツイッターで明らかにしている。また、2021年12月8日には、ジョセップ・ボレル・フォンテーリャス外務・安全保障政策上級代表(欧州委副委員長兼任)とバルディス・ドムブロフスキス欧州委執行副委員長(通商担当)は共同声明の中で、リトアニアからの輸出品が中国の税関を通過できなくなっている問題について、中国の行為とWTO義務との適合性についても検討していると述べている。
(片岡一生)
(米国、中国、台湾、リトアニア、ドイツ、EU)
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