米内務省、カリフォルニア州公有地の太陽光発電計画を承認、総発電容量1GW
(米国)
ニューヨーク発
2021年12月27日
米国内務省は12月21日、カリフォルニア州リバーサイド郡の公有地での2件の太陽光発電計画を既に承認しており、3件目の同計画も最終承認に近付いていることを発表した。3つの計画による総発電容量は約1ギガワット(GW)で、約27万4,000世帯の電力を賄えるとする。
先に承認した2件の計画はそれぞれアリカとビクトリーパスの計画によるもので、合計最大465メガワット(MW)の電力生成能力を有する設備を建設予定としており、これは約13万2,000世帯の電力を賄えるとする。また、これにより6億8,900万ドルのインフラ投資、年間590万ドルの経済的利益が期待されるという。着工日などはまだ明らかとなっていないが、事前の提案では建設期間としてアリカは18カ月、ビクトリーパスは16カ月を予定している。3件目の計画はオーベロンによる計画で、最大500MWの電力を生成する設備を建設予定、これは約14万2,000世帯に電力を賄えるもので、内務省は近く審査を完了予定としている。承認されれば、内務省が2020年にネバダ州ラスベガスで承認した690MWの規模に次ぐ太陽光発電計画となる。
内務省は、2020年エネルギー法に基づく議会からの要請を受けて、2025年までに公有地で25GWの太陽光、風力、地熱発電の建設計画承認を目指すとしており、数々の公有地での再生エネルギー開発計画が進んでいるとしている。同省は12月20日にもコロラド州、ネバダ州、ニューメキシコ州にある約9万エーカー(約3億6,422万平方メートル)の公有地での太陽光発電開発計画の募集を発表するとともに、今回の発表では、米国西部の公有地で、40の太陽光発電計画、4の風力発電計画、4の地熱発電計画など、54ものクリーンエネルギー計画の提案を検討中として、これらが全て実現されれば、合計で27.5GW以上の電力を西部に供給できる可能性があることも明らかにした。
州政府でも大規模な再エネ発電施設の建設の動きが相次いでいる。メリーランド州では12月17日、1.6GW以上の洋上風力発電の建設計画をスキップジャック・オフショア・エナジーとUSウィンド(いずれも本社:メリーランド州)に許可したことを明らかにしている。マサチューセッツ州でも同日、メイフラワー・ウィンドとビンヤード・ウィンド(いずれも本社:マサチューセッツ州)による約1.6GW容量の洋上風力発電の建設計画を採択したと発表している。
ジョー・バイデン大統領は、2030年までに30GWの洋上風力発電設備を設置するという目標を掲げており()、こうした動きはこの目標とも連動するものだ。上院で審議中のビルド・バック・ベター法案には、約3,000億ドルの再エネ設備投資への税額控除が含まれており(関連ブラック ジャック 無料)、こうした措置が実現されれば、さらに再エネ投資は拡大していくとものと考えられる。同法案は調整が現在難航しているが、再エネ投資の足元の動きとともに、同法案含めた支援措置が今後どうなっていくかについても注目される。
(宮野慶太)
(米国)
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