新型コロナ・オミクロン株感染者の初の死亡例確認、入国停止措置は7日間延長
(イスラエル)
中東アフリカ課
2021年12月22日
イスラエルでは、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の感染者が増加している。12月21日の保健省の発表によると、同株の感染者数は341人となり、うち234人は外国からの入国者で、29人はそれら入国者の濃厚接触者、66人は市中感染者だった。また、別の807人についても、オミクロン株への高い感染可能性があるとした。
同じく21日には、現地報道やロイターなど複数のメディアが国内で初めてオミクロン株感染者の死亡例が確認されたと報じた。「タイムズ・オブ・イスラエル」紙(12月21日)によると、南部の都市ベエルシェバのソロカ・メディカル・センターが、ワクチンを2回接種した上でオミクロン株に感染していた持病のある60代の男性が、同病院内で死亡したと発表したとしている。ただし、同病院は、男性の直接の死因は新型コロナによる肺炎ではなく、基礎疾患によるものだと説明したとの報道もある。
こうした状況下で、保健省は12月22日までとしていた全外国人の入国停止措置をさらに7日間延長し、12月29日までとすると発表した(12月15日付首相府)。さらに、アフリカを中心とした高リスク国(レッド国)のリストに、16日から英国とデンマークを追加した。また、21日以降は米国、カナダ、イタリア、ドイツ、ベルギー、ハンガリー、モロッコ、ポルトガル、トルコ、スイスの10カ国もレッド国に含めるとした(12月20日付「ハアレツ」紙など)。
現地報道などによると、ナフタリ・ベネット首相はこれらの事態に対し、60歳以上の高齢者、一部のリスクの高い人々、医療従事者などを対象に、世界初となる4回目のワクチン接種を開始する意向を示している。
(米倉大輔)
(イスラエル)
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