ガンビアで大統領選挙実施、現職のバロウ氏が再選
(ガンビア)
中東アフリカ課
2021年12月28日
西アフリカのガンビアで12月4日、大統領選挙が実施され、現職のアダマ・バロウ氏が2期目の当選を果たした。対立候補のウセイヌ・ダルボエ氏側は、選挙期間中にさまざまな不正があったとして、選挙結果を認めない姿勢を示している。
ガンビア選挙管理委員会(IEC)によると、今回の選挙の投票率は87%だった。バロウ大統領の得票率は53%で、2位ダルボエ氏の28%を大きく突き放しての再選となった。ダルボエ氏は今回の結果を不当だとしており、同氏の所属政党である「統合民主党(UDP)」は、バロウ大統領が選挙期間中、支持者に対して金銭を送っていたこと、同大統領の所属する「国民人民党(NPP)」が選挙管理委員会とつながりを持っていたこと、選挙結果の開示に過度な遅れがあったことなどを理由に、最高裁判所に上告するに至った。
ガンビアでは、1994年のクーデター以降の22年間、軍人のヤヒヤ・ジャメ前大統領が独裁体制を敷いていたが、2016年の大統領選挙でバロウ氏に敗れ、赤道ギニアに亡命していた。今回の選挙では、ダルボエ氏が裁判による平和的な紛争解決を求めているものの、同氏の支持者に対して警察が催涙弾を発射するなど、一部で混乱が生じている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ガンビア経済は大きな打撃を受けており、物価上昇によって国民の生活は逼迫している状況だ。バロウ大統領はこれまで、インフラ整備を通じた若者の雇用創出などに取り組んできたが、今後も失業問題や電力不足への対応が課題になるとみられる。
(梶原大夢)
(ガンビア)
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