バイデン米大統領、新たな新型コロナ行動計画発表、米国で2人目のオミクロン株感染者確認
(米国)
ニューヨーク発
2021年12月03日
ジョー・バイデン米国大統領は12月2日、ウイルスが増殖しやすい冬の時期に新型コロナウイルスのデルタ株とオミクロン株から米国民を守るための新たな行動計画を発表した。
計画の内容は大きく分けて以下の9つとなっている。
(1)全ての成人へのワクチン追加接種(ブースターショット)のために、高齢者を中心に追加接種に関する啓発活動をし、薬局から顧客に追加接種を受けるようキャンペーンを広く展開し、追加接種を受ける時間帯を有給休暇として認めるよう雇用主を促すなどする。
(2)子供を守り、学校を閉鎖させることのないように、5歳以上の子供にワクチン接種を広める。そのために、学校の感染予防措置を審査したり、家族そろってワクチン接種が受けられる医療機関を設けたりなどする。
(3)自宅で感染検査を受けやすくするために、市販の検査キットを保険適用の対象にしてその費用の払い戻しができるようにするとともに、保健センターなどでの抗原検査キットの無料配布を拡大する。
(4)外国旅行の渡航規制の強化をするため、翌週の早い段階から米国入国前の感染検査義務を出発の1日以内(現在は3日以内)に短縮し、公共交通機関でのマスク着用義務を3月18日まで延長する。
(5)ビジネスを継続するために、ワクチン接種や感染検査プログラムの推進を企業に呼びかけ、職場の安全を確保できるようにする。
(6)感染拡大を抑えるために、60以上の冬季緊急対応チームを各州に配置する。また、ボランティアによる緊急医療対応部隊を強化し、支援を必要とするコミュニティーを援助する。
(7)米国食品医薬品局(FDA)の科学的基準を満たす新型コロナウイルス感染症の治療薬が見つかり次第、所得や居住地にかかわらず、全ての米国民が公平に入手できるようにする。
(8)世界的なワクチン接種活動への貢献を続けるため、今後100日間で2億回分のワクチンを配布供給する。
(9)あらゆるシナリオに対応できるよう、必要な場合に備えて新たなワクチンの開発や追加接種の展開を加速する。
なお、米国疾病予防管理センター(CDC)は12月2日、国内で2人目となるオミクロン株感染者がミネソタ州で確認されたと発表した。同感染者は11月19日から21日にジャビッツセンターで開催された「アニメNYC2021」に参加するためにニューヨーク市を訪問していたという。ビル・デブラジオ・ニューヨーク市長は同イベントに参加した人に対して感染検査を受けるよう促した。
(吉田奈津絵)
(米国)
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