フランス海運会社CMA CGM、米西海岸2港で荷主へのインセンティブプログラムを開始

(米国)

ロサンゼルス発

2021年12月02日

日本やアジアから米国西海岸向けの海運サービスを提供しているフランスの大手海運会社のCMA CGM(本社:フランス・マルセイユ)は11月29日、物流混乱に伴う顧客のコストを相殺する取り組みとして、「早期コンテナ引き取りインセンティブプログラム(Early Container Pickup Incentive Program)」を12月1日から90日間実施すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

同社は、当該プログラムを通じて、西海岸のロサンゼルス港とロングビーチ港で8日以内にコンテナを引き取った荷主に対して、月曜日から金曜日の日中の引き取りの場合はコンテナ1個につき100ドル、夜間や週末の引き取りの場合はコンテナ1個につき200ドルの推奨金を提供する。

同社は発表の中で、「今回のプログラムは、港湾のパートナーやバイデン・ハリス・サプライチェーン・タスクフォースとの協力を通じて、米国民が日常的に必要な商品を入手できるよう、商品棚を満杯にする取り組みの1つ」と説明している。

米西海岸の主要2港、滞留コンテナへの追加課金開始を12月6日まで延期

ロサンゼルス港とロングビーチ港は11月29日、コンテナ超過滞留料金の課金開始を延期し、12月6日までは課金を実施しないとそれぞれ発表した(ロサンゼルス港発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますロングビーチ港発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。両港は、コンテナの滞留を早期に解消するため、海上輸送業者に対し、一定期間滞留したコンテナ1個につき、1日当たり累積的に100ドルの追加料金を課す方針を10月25日に示していたが、状況の改善を受け、その課金開始はこれまでも延期してきた(米西海岸の主要2港、海上輸送業者に追加料金を課金、無料11月1日記事11月17日記事参照)。

両港の発表によると、滞留するコンテナの数は、追加課金の方針を発表した10月25日に比べ、11月29日までに37%減少しており、当該方針を示したことが状況の改善に一定程度効果を及ぼしているとみられる。

西海岸の港湾混雑解消に向けては、このほか、米国海軍がロサンゼルス北西のベンチュラ郡海軍施設でのコンテナ船の荷下ろしを認めている。ベンチュラ郡のワイニーミ港と海軍基地の間の協定が11月22日に発効して以降、海軍基地で40フィートコンテナ(長さ約12メートル)の荷下ろしが可能になっている。最大1,500個積載クラスのコンテナ船の収容も可能という(VCスター2021年11月28日)。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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