ハイパーブラックジャック

中国工業信息化部は11月26日、「第2弾『5G＋ハイパーブラックジャック』10の典型的なユースケースと5つの重点産業実践状況の通知」（以下、通知）を発表した。

中国政府は、第5世代移動通信システム（5G）の浸透には基地局の建設とともに、5Gのユースケース（使用事例）の普及・推進が不可欠としており、特に産業分野のIoT（モノのインターネット）、ハイパーブラックジャック（注）における5Gの活用に力を入れている。

ハイパーブラックジャックの推進について、工業信息化部は2019年11月に「『5G＋ハイパーブラックジャック』512工程推進方案」を発表。2022年までにハイパーブラックジャックの10の重点業種と20の典型的なユースケースを発掘し、各地域で「5G＋ハイパーブラックジャック」の応用先行区の建設を奨励するとしていた。5月31日に第1弾として10の典型的ユースケースと5つの重点業種を発表しており（2021年6月10日記事参照）、今回の通知が第2弾となる。

今回の通知では、典型的な10のユースケースとして、（1）生産ユニットのシュミレーションモデルによる製造工程の可視化、（2）屋外作業の精密コントロール・自動化、（3）生産エネルギー効率の管理・改善、（4）製造工程のモニタリングの自動化、（5）製造工程のトレーサビリティー、（6）製造設備の予測的メンテナンス、（7）工場内の全ての貨物のスマート管理、（8）全物流工程のモニタリング、（9）拡張現実（AR）／仮想現実（VR）を活用したバーチャルでの製品の展示、技能トレーニング、遠隔オペレーション指導、（10）企業間のデータ共有・システム連携の強化を挙げた（添付資料表参照）。また、重点産業については、石油化学工業、建設用の非金属鉱物製品製造業、港湾業、紡績業、家電製造業の5つとした。

中国ハイパーブラックジャック研究院が10月に発表した「ハイパーブラックジャックイノベーション発展効果報告」によると、全国で行われている「5G＋ハイパーブラックジャック」のプロジェクト数は既に1,800件を超えた。

工業情報化部が11月16日に発表した「第14次5カ年（2021～2025年）情報通信産業発展規画」でも、内需を拡大して新型情報消費を育成するため、5G、ビッグデータ、人工知能（AI）などの新技術の応用を一層深め、ハイパーブラックジャックにより生産のデジタル化を発展させていくとしている。同部によると、11月16日時点の5G基地局は115万カ所超、5Gに接続するユーザー数は4億5,000万となり、いずれも世界最大規模となっている。

（注）産業機器のIoT化を進めてモノ・データ・人を結び付け、生産効率や品質管理の向上を目指すこと。

（江田真由美）