地方の日本食レストランが増加、ブラック ジャック web

(タイ)

バンコク発

2021年12月22日

ジェトロが12月17日に公表した「2021年度タイ国日本食レストラン調査PDFファイル(496KB)」によると、タイの日本食レストラン数は4,370店舗となり、前年度調査から6.7%増加した。バンコク以外の地方が2,297店舗と15.5%増加した一方、バンコクは2,073店舗と1.5%減少し、店舗数では初めて地方がバンコクを上回った。特に増加が多かったのは、地方の「寿司(すし)」で26.3%増えた。前年度に引き続き、フランチャイズ展開を進める寿司店が拡大したほか、フードデリバリーとの親和性が高いことも要因とみられる。

一方、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響から、休業中の店舗数は前年度の70店舗から231店舗と大幅に増加した。9月1日から飲食店での店内飲食が可能となり、段階的な規制緩和に伴い客足・売り上げは回復傾向にあるものの、100%の回復には至っていない。今後の課題として関係者からは、飲食業における人手不足の解消、観光業の回復、ライフスタイルの変化への対応などが挙げられている。

中長期的にみると、日本食レストランの数は毎年増加を続けており、調査開始の2007年(745店舗)から比べると約6倍になった。バンコクではやや頭打ちの傾向がみられるものの、地方での店舗数増加が続き、新型コロナウイルス感染症が発生した2020年、2021年も店舗数の増加を牽引した。地方にも日本食が浸透している様子がうかがえる。

また、今回の調査では初めて客単価の分析も行った。バンコク・地方ともに101~250バーツ(約343~約850円、1バーツ=約3.4円)の店舗が最も多く、251~500バーツの店舗が続く。その次に多いのは、バンコクでは501~1,000バーツの店舗、地方では100バーツ以下の店舗。新規開店した店舗は、地方の低価格帯(101~250バーツおよび100バーツ以下)が多かった。

関係者の間では、ブラック ジャック webへの渡航が制限される中、より日本を感じられる本物志向の日本食レストランが増えていくとともに、タイ人の嗜好(しこう)・タイの食文化に合わせてアレンジされた日本食も増えていくとする意見が多い。特別な日の利用から日常食としての利用まで、タイでの日本食の楽しみ方が多様化してきている傾向がうかがえた。

(河合孝紀、谷口裕基)

(タイ)

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