政府が国産の新型コロナ治療薬を初承認

(中国)

北京発

2021年12月17日

中国の国家薬品監督管理局は12月8日、騰盛華創医薬技術(北京)が申請していた新型コロナウイルス中和抗体治療薬の注射液2種「BRII-196」と「BRII-198」を緊急承認した。中国当局が初めて承認した新型コロナ治療薬となる。

国家薬品監督管理局は「薬品管理法」の関連規定の特別審査承認手順に基づき、緊急の審査・評価・承認を行い、上記2種を併用し、軽症・一般症状ながら重症化リスクが高い成人患者と、12~17歳の青少年(体重40キログラム以上)患者の治療に用いることを承認した。

騰盛華創医薬技術(北京)の親会社の騰盛博薬生物科技の発表によると、今回承認された治療薬は、騰盛博薬と深セン市第三人民医院、清華大学が共同開発したもの。また、騰盛博薬は12月12日、今回承認された治療薬を用いた治療法は新型コロナウイルスのデルタ型変異株やオミクロン型変異株に対しても有効との実験データが得られているとも発表した。同社は、10月に米国食品医薬品局(FDA)にもこの治療薬を用いた治療法の緊急使用承認申請を行っており、現在審査中としている。

中国でもオミクロン株感染事例を確認

天津市は、12月9日に同市のPCR検査で陽性となった無症状感染者(欧州からの入国者)の呼吸器検体を全ゲノム配列解析したところ、オミクロン型変異株を検出したと発表。中国本土でオミクロン型変異株が発見された初のケースとなった。12月14日には広東省広州市で2例目の感染が確認された。

(趙薇)

(中国)

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