深セン市で「第9回深セン国際低炭素都市フォーラム」開催
(中国)
広州発
2021年12月28日
中国・深セン市政府は12月15~18日に、「第9回深セン国際低炭素都市フォーラム」を開催した。本フォーラムは、中国におけるグリーン・低炭素分野の代表的な専門フォーラムで、2013年から毎年開催されている。今回は、「2021カーボンピークアウト・カーボンニュートラルフォーラム」も併催された。
本フォーラムは、中国が世界の気候変動に対処し、低炭素化技術の産業化を推進するための国際対話の場であるとともに、グリーン・低炭素分野における投資家、企業、政府関係者、研究者の交流プラットフォームとしての役割も担う。
今回は、「グリーンイノベーションを牽引役として、世界中の力を結集し、中国の脱炭素の道を探索する」を主題として開催。広東・香港・マカオグレーターベイエリアのグリーン発展、低炭素・グリーンエネルギー、住宅・建築の低炭素化、グリーン交通、脱炭素分野への投融資など、注目が集まる分野ごとにフォーラムが開催され、産学の有識者が活発な意見交換を行った。
また、中国、日本、フランス、米国、スイス、スウェーデンなど10を超える国・地域から参加した企業・団体がピッチ(注)を行い、自社の技術をアピールした(「人民網」12月23日)。
深セン市水素エネルギー産業発展計画を発表、2025年に500億元規模へ
フォーラム会期中には、深セン市発展改革委員会が「深セン市水素エネルギー産業発展計画(2021~2025年)」(以下、計画)を発表。同市の水素エネルギー産業を2025年に500億元(約9,000億円、1元=約18円)、2035年に2,000億元の規模に成長させる目標が掲げられ、同市政府が水素エネルギー産業の発展を重視する姿勢を示した。また、これらの目標を達成するための主な具体的な施策と指標は以下のとおり。
- イノベーション能力の向上:深セン市が主導もしくは参加する水素エネルギーの国際・国内標準を20項目以上推進、大学や企業の研究開発センターなどイノベーションの担い手となる施設を15カ所以上設置する。
- 産業集積の促進:水素エネルギー産業園区を2カ所建設し、100社以上の重点分野の優良企業を誘致、育成する。
- 応用モデルの推進:交通・物流、分散型発電などの分野において、水素エネルギー活用のパイロットケースを創出する。具体的には、水素をエネルギー源とする自動車を1,000台、船舶を1~3隻、ドローンを100機、水素ステーションを10カ所など。
(注)ピッチとは、短いプレゼンテーションのことで、イベントなどで数分間のプレゼンにより、自分たちのビジョンを紹介して売り込むことを指す。
(曹歓)
(中国)
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