WTOレポート、新型コロナ関連の輸出制限続く
(世界)
国際経済課
2021年12月10日
WTOは12月9日、WTO加盟およびオブザーバー国・地域の貿易関連措置に関する監視報告書(モニタリングレポート)を公表した。同レポートによれば、新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生から2021年10月中旬までに、新型コロナウイルスに対応した財貿易措置(以下、ブラック ジャック 確率)は399件に上った。このうち、262件(ブラック ジャック 確率全体に占める割合:66%)は貿易促進措置、残りの137件(34%)は貿易制限措置に分類される。
ブラック ジャック 確率のうち、輸出制限措置が117件(ブラック ジャック 確率に占める割合:85%)を占める。新型コロナ関連財輸出制限措置117件のうち、72件は撤廃されたが、45件は継続している。ンゴジ・オコンジョ=イウェアラWTO事務局長は、ワクチン製造や配備を含めた新型コロナ対応を妨げている可能性があるとし、これらの制限措置はできるだけ早く撤廃するよう呼び掛けた。
新型コロナに関連しない財貿易措置については、2020年10月中旬から2021年10月中旬まで(注1)の期間に、貿易促進措置は124件、貿易制限措置は103件が導入された(注2)。WTOは、当期間中に導入された輸入に影響を与える財貿易制限措置の対象額を1,059億ドル(世界の財輸入額に占める割合:0.6%)と試算。対象額では2015年10月中旬から2016年10月中旬〔1,010億ドル(0.62%)〕、世界の財輸入額に占める割合では2016年10月中旬から2017年10月中旬〔約790億ドル(0.5%)〕以来の低水準となった。米中貿易摩擦をはじめとする保護貿易主義による影響が色濃く出た2018年10月中旬から2019年10月中旬の期間には約7,470億ドル(3.84%)に達していた。なお、2009年以降に発動され2021年10月中旬時点でも有効な輸入制限措置の対象額は、約1兆5,000億ドル(8.7%)との概算を示した。
(注1)2020年10月16日から2021年10月15日まで。
(注2)貿易救済措置を含まない。
(朝倉啓介)
(世界)
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