オミクロン株を受けアフリカ8カ国からの入国停止、ブースター接種も急ぐ
(イタリア)
ミラノ発
2021年12月01日
イタリア保健省は11月26日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」が拡大していることを受けて、アフリカ8カ国からの入国を同日以降禁止することを発表した。具体的には、過去14日間に南アフリカ共和国、レソト、ボツワナ、ジンバブエ、モザンビーク、ナミビア、エスワティニ、マラウイに滞在または乗り換えをした場合は、イタリアへの入国を原則不可とする。ロベルト・スペランツァ保健相は、新たな変異株については研究を進めているとしつつ、同時に「最大限の予防措置」を取ると述べている。なお、報道によると、新たな変異株については11月30日時点でイタリア国内でも既に複数例が確認されている。
第4波への警戒高まる、ブースター接種も急ぐ
イタリアでは11月以降、1日の新規感染者数が増加傾向にあり、第4波と呼べる状況に差しかかりつつある。状況の悪化が危ぶまれる中、イタリア保健省は11月22日、ワクチンのブースター接種の実施につき、接種完了時からの期間を最短6カ月後としていたところ、5カ月に短縮する方針を発表している。
また現在、イタリアでは、新型コロナウイルスのワクチン接種、感染からの治癒、またはウイルス検査による陰性のいずれか証明する「COVID-19グリーン証明書」(通称「グリーンパス」)の提示が、職場へのアクセスや飲食店の屋内テーブル席利用の際など、特定の場面において必要になっているが(2021年9月27日記事参照)、同証明書の有効期限についても変更を発表。11月26日付暫定措置令により、12カ月から9カ月に短縮されることとなった(12月15日から適用)。
欧州域内でも感染拡大が顕著になっている中、イタリア国内でも警戒感が高まっている。
(山崎杏奈)
(イタリア)
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