ワクチン未接種者の行動規制措置を強化、2月に接種義務化も
(ドイツ)
ベルリン発
2021年12月06日
ドイツのアンゲラ・メルケル首相と全16州の州首相は12月2日、全国一律で行動規制を強化する新たな措置について合意した。局所的に発生している医療逼迫、新規感染者数の急増、オミクロン型変異株の感染者発生など、足元の状況が悪化しており、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の強化を求める世論や産業界の声が強まっていた。また、新型コロナウイルスなど感染症予防対策の実施権限は州政府にあるが、2021年4月22日から連邦政府が導入した、全国一律に厳しい行動制限を課すことができる「非常ブレーキ」措置(関連ブラック ジャック ゲーム)(注1)について、ドイツ連邦憲法裁判所は11月30日に合憲との判決を下した。こうした背景から、連邦政府は行動制限措置の厳格化に踏み切った。
連邦と州が合意した主な措置は以下のとおり。ワクチン未接種者の行動が大幅に制限される。なお、各州政府は地域の感染状況に応じて追加措置を講じることができ、各州で実情に適合した行動規制強化が順次実施される(注2)。
- 各種施設などの利用:小売店への入店、映画館など文化施設の利用などはワクチン接種完了者と回復者に限定。州政府の措置により、追加で陰性証明が必要になる場合もある。ただし、食料品店、薬局など日常生活に不可欠と分類された店舗やサービスは対象外。
- 大型イベント:参加者はワクチン接種完了者と回復者に限定可能。参加者数は、屋内の場合は最大5,000人まで、屋外の場合は最大1万5,000人までとし、収容可能人数の30~50%に限定する。
- 私的な集まり:ワクチン接種完了者と回復者に限定し、屋内は50人、屋外は200人までとする。
- ワクチン未接種者に対する接触制限:公共および私的空間における私的な集まりは、自らの世帯(人数制限なし)と他の世帯から最大2人の参加に制限。ただし、14歳以下の子供は人数制限の対象外。
- 大みそかと元日の行動制限:花火の打ち上げ、集会を禁止。
ワクチン接種は義務化へ
ワクチン接種は、医療機関や高齢者介護施設に勤務する従業員を対象に義務付けする。さらに、2022年2月には、一般へのワクチン接種の義務化が実施される見込みだ。世論調査(公共放送ARD2021年12月2日、注3)によると、18歳以上へのワクチン接種の義務化について「賛成」との回答は71%に上った。また、ワクチン接種証明の有効期限(欧州委、EU域内移動に関する新たな勧告案を発表、無料)は12月末までに決定される。
(注1)新型コロナウイルスの新規感染者数が一定水準を超えた地域に対し、連邦政府が私的に集まる人数や外出を制限する措置。2021年4月23日~6月30日に適用されていた。
(注2)各州の行動規制の詳細は、在ドイツ日本大使館のウェブサイトの新型コロナ関連カジノ ブラック ジャックを参照。
(注3)世論調査は、ドイツの社会政治を専門とする研究機関インフラテスト・ダイマップ(Infratest dimap)により2021年11月29日~12月1日に実施された。
(中村容子)
(ドイツ)
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