第3四半期の実質GDP成長率は前期比1.7%、景況感は下降続く
(ドイツ)
ベルリン発
2021年12月06日
ドイツ連邦統計局は11月25日、2021年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(前期比、確定値、季節調整済み)を1.7%と発表した。今回の確定値では、10月29日の速報値1.8%から0.1ポイント下方修正した。GDPは、前年同期比では2.5%となったが、「新型コロナ危機」直前の2019年第4四半期(10~12月)と比較すると、いまだ1.1%下回る水準にある。
前期比での需要項目別の内訳をみると(添付資料表参照)、内需が前期比2.0%増と2期連続のプラス成長となった。新型コロナウイルス感染拡大防止のための行動規制措置が5月以降に緩和されたことで()、前期に引き続いて個人消費が6.2%増と内需を牽引した。特に第3四半期は旅行シーズンと重なり、宿泊・飲食サービスへの支出が大幅に伸びた。総固定資本形成はマイナスに転じ、2.2%減と内需の伸びを抑制した。外需(純輸出)については、輸入が0.6%減、輸出が1.0%減と、輸出の減少が輸入の減少を上回ったため、0.2%減と3期連続のマイナスとなった。
産業別でみると、製造業が前期比2.2%減、建設業が1.2%減といずれも減少となった。一方で、卸小売り・運輸・宿泊・飲食業は5.3%増、ビジネス・サービスは3.4%増、公共サービス・教育・保健は3.1%増と、サービス部門では伸長がみられた。
景況感は5カ月連続で下降
ifo経済研究所が11月24日に発表した11月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は、96.5と前月比1.2ポイント減となり、5カ月連続で悪化した。部品・部材の供給不足と、急拡大している新型コロナウイルス感染拡大第4波が影響した。11月のDI値(注)は、全ての部門で下落し、サービス部門は11.5と前月の16.6からの大幅な落ち込みとなった。 製造部門のDI値は16.5と前月比1.0ポイント減、現在の状況を示す現況指数は29.7と前月比3.0ポイント減と大きく下落した一方で、自動車業界が堅調であることから、今後6カ月の見通しを示す期待指数は4.0と前月より0.7上昇した。
(注)Diffusion Indexの略。ビジネスの状況を「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を引いた値。
(ヴェンケ・リンダート)
(ドイツ)
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