COP26開幕、英国のシャルマ議長とジョンソン首相が重要性強調

(英国、世界)

ロンドン発

2021年11月01日

国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が10月31日、英国スコットランドのグラスゴーで開幕した。会期は11月12日まで。

英国政府は10月20日、COP26のプログラム外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますしており、参加する首脳会談は11月1、2日に開催。各国は会談を通じて、温室効果ガス排出削減に向けた野心的な行動を打ち出し、気候変動の影響への対応を拡大するほか、資金の動員や、気温上昇に関するパリ協定の目標の維持に向けたコミットメントを共同で表明することが期待される。

英国からはジョンソン首相に加え、スコットランドのニコラ・スタージョン首相が出席予定。主要国・地域では、米国のジョー・バイデン大統領、EUのシャルル・ミシェル欧州理事会常任議長、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、イタリアのマリオ・ドラギ首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、インドのナレンドラ・モディ首相、カナダのジャスティン・トルドー首相、オーストラリアのスコット・モリソン首相、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領、トルコのレジェップ・タイップ・エルドアン大統領らが出席予定と報じられている。日本からは岸田文雄首相が出席予定。一方、中国の習近平国家主席はオンライン参加、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とブラジルのジャイール・ボルソナーロ大統領、南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領らは出席しないと報じられている。

また、並行して行われる2週間の議長国イベント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、社会や世界経済全体がいかに野心的な気候変動対策を推進するかに焦点を当て、ファイナンスやエネルギーのほか、ジェンダーや都市・地域などのテーマが予定されている(添付資料表参照)。

開幕に際し、アロック・シャルマCOP26議長が10月31日に演説外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、「今回のCOPが(世界の平均気温の上昇を産業革命以前と比べ)1.5度(以内とする)目標を引き続き達成可能とするための最後の希望」と緊急性を強調した。同氏は同日、スカイニュースのインタビューで、今回のCOP26での合意形成は具体的なルールに合意する必要性を踏まえ、パリでのCOP21開催時(2015年)の枠組み合意形成よりも難しいものになるとした。

ジョンソン首相も31日、ローマでのG20サミットの記者会見外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、G20のうち12カ国しか2050年までのネットゼロ達成を約束していないことや、先進国が開発途上国への気候資金の動員目標を達成できていないことを指摘。「COP26を失敗させないためには、こうした状況を変えなければならない。グラスゴー(でのCOP26)が失敗すれば、全てが失敗すると確信」と危機感をあらわにした。

(注)これまでの議論、各国の取り組みについては特集「」を参照。

(山田恭之)

(英国、世界)

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