ジョンソン英首相、COP26で開発途上国向けの支援策発表
(英国、世界)
ロンドン発
2021年11月02日
英国のボリス・ジョンソン首相は11月1日、グラスゴーで開催されている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、大規模な資金提供パッケージを発表した。開発途上国での持続可能なインフラや革新的なグリーン技術の展開支援を図る。
まず、英政府系開発金融CDCグループを通じて、今後5年間で30億ポンド(約4,650億円、1ポンド=約155円)超を投じ、アフリカやアジアのグリーン成長をサポートする財政支援を行う。これには、民間部門と連携して気候変動の影響への対応に資する技術の拡大を支援するための2億ポンド規模の気候イノベーションファシリティーも含まれる。
また、英国の外務・英連邦・開発省などが出資する民間インフラ開発グループ(PIDG)も開発途上国でのグリーン関連プロジェクト支援に向け2億1,000万ポンドを拠出することにコミットするとした。
これらに加えて、英国政府はアフリカやインドでの気候関連プロジェクトに対する投資促進のため、国際開発金融機関への保証パッケージについても発表。アフリカ開発銀行と世界銀行に対して22億ポンド規模の保証を提供するとしている。
ジョンソン首相は11月1日午後、米国、インドなどを含む26カ国代表が参加した「行動と連帯」ラウンドテーブルで演説。世界的に発生する天災に伴う壊滅的な損失・損害を防ぐため、そうした被害に直面する国々に代わって行動する必要があると述べ、COP26の議長国として「最も弱い層を支援する」と決意を表明した。
開会セレモニーで演説、各国へ協力呼びかけ
ジョンソン首相はラウンドテーブルに先立ち、世界首脳会談の開会セレモニーで演説。「われわれが今、気候変動に対して真剣にならなければ、子供たちの世代では手遅れになる」と緊急性を強調した。また、先進国には開発途上国のグリーン技術移行へ資金提供の義務があるとしながらも、公的資金だけでは成功は見込めないとし、民間資金や国際開発金融機関などの重要性について述べた。ジョンソン首相は「COP26を気候変動の終わりの始まりにしなければならない」とし、首脳会談の参加国に対し「われわれが持てる全ての創造性と想像力と、善意とともに協力しよう」と呼びかけた。
(山田恭之)
(英国、世界)
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