大連で新型コロナ感染拡大、港湾や冷凍・冷蔵物流への影響が深刻化
(中国)
大連発
2021年11月15日
中国の遼寧省衛生健康委員会は11月11日、大連市内で新型コロナウイルスの新規感染者52例、無症状感染者5例を確認したと発表した。大連では4日に新規感染者が1例確認されて以降、11日までの8日間の累計感染者135例、無症状感染者が80例となった。省政府当局が全市民のPCR検査を始めている。
7日までに確認された新規感染者のうち14人は、大連・庄河市の低温倉庫の従業員。冷凍・冷蔵倉庫から感染が広がるケースは2020年7月と12月に続いて今回が3回目だ。
大連市はコールドチェーンを利用した水産品の全国最大の輸入港で、国内輸入量の約70%が同港で検査手続きを受け、輸入されている。同時に低温倉庫を擁する輸送基地でもあり、容量は計40万5,000トンで国内最大。コールドチェーンを通じた感染拡大を防止するべく、2020年12月以降、輸入食品は最初に省政府が指定する8カ所の低温倉庫に搬入することを義務付けている(2021年1月29日記事参照)。指定倉庫では消毒やPCR検査など厳格な監督管理を実施しているが、今回感染が確認されたのは、その指定倉庫の1つだった。
今回の感染拡大を受け、大連市市場監督管理局は11月8日、コールドチェーン輸入関連の指定倉庫、食品生産企業や販売企業、飲食業に対し、営業の一時停止を通告した。大連の水産品関連企業によると、現時点では大連港の通関や荷役は機能しているようだが、省政府が指定倉庫の出入庫を停止しているため、輸入が事実上ストップしているもようだ。既に流通している輸入貨物もあることから、突然の営業停止命令に対し、大連市水産国営大手企業・遼漁集団をはじめ、複数の関係者が抗議を行っているという。
また、市内の感染拡大により、大連市外へのトラック輸送でも大きな支障が出ており、大連市を起点とする多くの物流業者が輸送の受託を停止しているもようだ。大連の物流業者によると、「高速道路の入り口は封鎖され、大連から出る際、トラック運転手は24時間以内のPCR検査陰性証明書の提示が求められている。かつ、到着後は都市によっては隔離後の配送になるため、業務への支障が大きい」と述べている。
(高文寧)
(中国)
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