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(チェコ)

プラハ発

2021年11月24日

チェコ政府は11月19日、新型コロナウイルスの感染状況が急速に悪化していることから、国内の全ての企業に対して、従業員に抗原検査の実施を再び義務付けることを決定外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この措置は2021年3月1日にまず従業員50人以上の企業を対象に導入し、その後対象を拡大、同月22日には従業員数にかかわらず全企業を対象とすることを決定し、7月1日に当該緊急措置を撤廃するまで継続していた(2021年3月24日記事参照)。

今回再開が決まった検査義務でも同様に、週1度以上の市販のセルフ検査キット、または検査機関による抗原検査の実施を定めており、最初の検査は11月29日までに実施しなければならない。ただし、前回と異なり、検査対象となるのは、新型コロナウイルスワクチン未接種者あるいは接種未完了者に限定される。また、回復証明の所有者や、医療従事者により7日以内に実施されたPCR検査あるいは抗原検査の陰性証明を所有する者も対象外だ。在宅勤務者、または他人と接触する機会のない職場環境で勤務する者に対しても、検査義務は課されない。

保健省の11月20日付発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、アンドレイ・バビシュ首相は「抗原検査で感染拡大を遅らせたいが、主な解決策は接触機会の制限とワクチン接種になる」と述べた。

国内企業もこれを容認する姿勢を見せている。チェコ商工会議所のウラジミール・ドロウヒー会長は11月18日、保健省の提案が公表された時点で、歓迎はしないものの、現時点では受け入れるとの声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。ただし、同会長は同時に、企業が購入する検査キット費用に対する補助金が迅速に支給されるよう要請している。

ワクチン接種推進策としては、11月1日からワクチン未接種者に対するPCR検査・抗原検査が有料化(公的保険負担の撤廃)された。そのほか、同22日以降、レストラン、ホテル、美容院などのサービス店の利用、イベント会場への入場の際などに提示が求められる非感染証明として、抗原検査・PCR検査による陰性証明書は認められなくなり、ワクチン接種証明書または回復証明の提示が義務付けられている。

欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、11月23日時点のチェコの全人口に対する接種完了率は58.1%で、依然としてEU平均(65.5%)を下回っている。成人(18歳以上)の人口比では、チェコは68.5%、EU平均は76.5%だった。

(注)バビシュ内閣は10月8~9日の下院選挙で敗北したことを受け()、11月15日に総辞職。新連立政権が発足するまでは暫定内閣として継続する。

(中川圭子)

(チェコ)

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