ジョンソン首相、新型コロナ変異株「オミクロン」対策で関連規制強化を発表

(英国)

ロンドン発

2021年11月30日

英国のボリス・ジョンソン首相は11月27日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」の拡大を受け、イングランドの新型コロナ関連規制の強化を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

まず、オミクロン株の疑いがある新型コロナウイルス感染陽性者と濃厚接触した者については、ワクチン接種完了者でも10日間の自主隔離を義務付ける。また、保健省の28日付発表によると、店舗内や公共交通機関でのマスク着用を義務化外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますする。さらに、ワクチン接種完了者らの迅速抗原検査の利用が認められていた(2021年10月19日記事参照)高リスク以外の国・地域からのイングランド入域後2日目以内の検査をPCR検査とする。渡航者は陰性結果が出るまでの間、自主隔離が必要。いずれも11月30日午前4時から導入する。

政府はこれに先立つ25日、南部アフリカ諸国6カ国(南アフリカ共和国、ボツワナ、エスワティニ、レソト、ナミビア、ジンバブエ)を26日正午から高リスク国とすることを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。27日にはさらに4カ国(アンゴラ、マラウイ、モザンビーク、ザンビア)を28日午前4時から高リスク国とすると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

入域後2日目以内のPCR検査受検と自主隔離義務付けについては、スコットランドと北アイルランドで30日午前4時以降、ウェールズでも30日から導入し、10カ国の高リスク国への引き上げも全自治政府が導入した。

ブースター接種を推進

サジード・ジャビド保健相は29日、ワクチン接種などに関して議会に対し声明を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。事前に予防接種・免疫合同委員会が発表した以下の提言を全て受け入れるとした。

  • 最後の接種からブースター接種までの最短期間を現行の6カ月から3カ月に短縮。
  • ブースター接種の対象を18歳以上の全員に拡大。
  • ブースター接種では、より高齢な者、重篤化リスクの高い16歳以上の者を優先。
  • 免疫不全の16歳以上の者で3回目接種(注)を完了した者にブースター接種を実施。
  • 12~15歳の子供にも1回目の接種から12週間空けた上で2回目接種を実施。

ワクチン接種完了者の定義拡大

なお、英国政府は11月22日午前4時から、ワクチン接種完了者として認められるワクチンの種類を拡大外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。世界保健機関(WHO)の緊急使用リスト掲載のワクチンも認めるとし、中国製のシノバック、シノファーム、インド製のコバクシンを所定回数接種した者も接種完了者と見なすとした。17歳以下についても11月22日午前4時から、ワクチン接種完了者と同様にイングランド入域時の自主隔離義務などを免除した。

(注)英国政府は9月1日、免疫機能が著しく弱っている者に対し、3回目の接種を行うと発表している。

(山田恭之)

(英国)

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