プラユット首相、COP26で新たな目標発表

(タイ)

バンコク発

2021年11月08日

タイのプラユット首相は11月1日、英国で開催されている国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第26回締約国会議(COP26)に出席し、世界リーダーズサミットでタイの気候変動対策への取り組み強化を表明した(政府発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。首相は、タイは気候変動問題を最重要課題と認識しており、次世代の未来のためと、世界共通の目標を達成するため、世界の全ての国・セクターと協力する用意があることを強調した。

プラユット首相は2015年にパリで開催されたCOP21にも出席しており、タイはパリ協定を批准した最初の締約国の1つだ。タイの温室効果ガス(GHG)排出量は世界全体の0.72%と少ないが、大気汚染などの影響が最も大きい国の1つで、首相は2021年初にバイオ・循環型・グリーン(BCG)経済モデルを国家戦略に据えるなど、気候変動対策は政府の重要なテーマとなっている。

今回の発表によると、タイは国別気候変動緩和行動(NAMA)目標により、2020年までにエネルギー・輸送部門からのGHGを最低7%削減するとしていたが、2019年に17%削減を早々に達成したという。また、タイは「自国が決定する貢献(NDC)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」と「長期低排出発展戦略(LT-LEDS)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」をUNFCCC事務局に提出しており、これらの計画を国全体と地方自治体の両面で計画を推進していくとした。

プラユット首相は今回、2050年に「カーボンニュートラル」、2065年までに「ネット・ゼロ・エミッション」の達成を目指すという新たな目標を述べ、あらゆる手段で気候変動課題に取り組むという強い意志を表明した。適切で時宜を得た技術移転や国際的な支援、グリーンファイナンス制度の利用促進などにより、NDCをより加速させることが可能だという。

タイは2022年のAPEC議長国でもあり、BCGなどをAPECサミットの主要議題に取り上げたいと考えている。

(北見創)

(タイ)

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