11月22日から感染防止策を緩和、年末までに3回目ワクチン接種率を50%へ
(シンガポール)
シンガポール発
2021年11月22日
新型コロナウイルスのシンガポール政府タスクフォースは11月20日、感染状況の沈静化を受けて、同月22日から飲食店内で食事できる人数の上限を2人から5人へと引き上げるなど、感染防止策を緩和すると発表した。政府タスクフォースは、感染者の再拡大を受けて9月27日から感染防止策を引き締めた後も、感染の勢いが増していることを受け、10月20日に11月21日までの感染防止策の延長を発表していた(2021年10月21日記事参照)。
発表によると、11月22日から集まり(グループ)の人数の上限を2人から5人へと引き上げると同時に、一般世帯への1日当たりの訪問人数の上限も5人へ引き上げる。また、同居家族で、ワクチン接種者であれば11月10日から、最大5人まで飲食店内での食事ができるようになったが、同月22日からは同居家族でなくても、ワクチン接種者であれば最大5人まで飲食店内で会食できるようになる。しかし、職場の勤務体制については引き続き、在宅勤務がデフォルト(基本)となる。その他、11月22日以降の具体的な感染防止策と新たな法人向け支援策の内容は、保健省の発表を参照。
同国では1日当たりの新規感染者は平均3,000人以下へと減り、国内の新規感染者の伸びが前週比で0.8~1.0へと低下した。また、ICU(集中治療室)で治療中の感染者は、過去1週間で1日当たり約120人と高いものの、安定的だとしている。政府タスクフォースの共同委員長を務めるローレンス・ウォン財務相は同20日の会見で、「向こう2~3週間の状況を注視し、状況が落ち着き、医療システムが引き続き安定すれば、12月末ごろに次の(感染防止策の)動きを検討する」と述べた。
また、オン・イエクン保健相は同20日、11月24日から接種可能な全ての人について、2回目の新型コロナウイルスのワクチン接種をしてから5カ月後に、3回目のワクチン接種(ブースター接種)の対象とすると述べた。同相は、12月末までに約150万回分のブースター接種を行うことで、ブースター接種率を11月19日時点の23%から50%まで引き上げるとの見通しを示した。保健省によると、2回のワクチン接種者の割合は、11月19日時点で人口の85%。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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