9月の自動車生産・輸出は好調も、販売は供給不足で低迷

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2021年10月21日

アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は10月5日、9月の自動車(トラック、バスを除く)の生産台数および輸出台数を発表した。生産台数は前月比13.5%増、前年同月比35.4%増の4万3,535台、輸出台数は前月比1.2%増、前年同月比40.9%増の2万5,230台だった(添付資料図1、図2参照)。輸出は、全体の約6割を占めるブラジル向けが引き続き好調だった(添付資料表1参照)。

2021年1~9月の累計生産台数は30万7,412台に達しており、2020年の年間生産台数25万7,187台を既に上回っている。ただ、さらなる生産拡大は難しいとみられる。9月30日付の現地紙「アンビト」(電子版)によると、国内の資本取引規制により自動車部品メーカーの資本財、中間財の輸入がさらに難しくなっており、減産と従業員の帰休を余儀なくされるところが出ている。

一方、9月の自動車の国内新車販売(登録)台数は3カ月連続で前月を下回った。アルゼンチン自動車販売代理店協会(ACARA)によると、9月の自動車国内販売(新車登録)台数(トラック・バスを含む)は、前月比0.8%減、前年同月比10.3%減の3万570台だった(添付資料図3参照)。ブランド別・車種名別の販売台数は添付資料表2のとおり。

ACARAによると、国内販売低迷の原因は主として供給不足によるものだ。半導体不足などで世界的に自動車の供給不足が発生しているが、これに加え、アルゼンチン政府による資本取引規制が輸入取引にブレーキをかけていることも供給不足に拍車をかけているという。ACARAは2021年の新車登録台数見通しを年初の45万台から37万5,000台へ下方修正した。新車登録台数の50%を国産車が占めることから、ACARAは国内生産の拡大の必要性を訴えているが、厳しい状況にある。

(西澤裕介)

(アルゼンチン)

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