「バイブラント・グジャラート2022」(VG2022)1月開催へ、モディ首相が指示

(インド)

アーメダバード発

2021年10月25日

インドのナレンドラ・モディ首相は10月18日、グジャラート州のブペンドラ・パテル州首相や政府関係者とオンライン会議を行い、「バイブラント・グジャラート2022」(VG2022)を2022年1月10~12日の日程で、州都ガンジナガールの国際見本市会場マハトマ・マンディールで開催するよう指示したと、複数の地元メディアが伝えた。

「VG」は、2003年度に当時グジャラート州首相だったモディ首相の肝いりで初めて開催された、インド最大規模の投資誘致イベントだ。以来、隔年で開催され、世界各国から多数の投資家を集めてきた。グジャラート州のみならず、インド全州への投資誘致が期待される。本来開催される予定だった2021年1月は、新型コロナウイルス感染拡大のため延期された。今回開催されれば10回目となる。

この首相指示を受け、19日にパテル州首相(2021年9月16日記事参照)は、州政府の担当省庁の幹部と会議を開催し、(1)開催テーマ、(2)パートナー国、(3)招待状の送付、(4)イベントの主要内容の最終決定など、「VG2022」の開催に向けた重要事項を話し合ったという。新型コロナの影響で多くの国からの渡航制限がある現状を踏まえ、「物理的参加」と「バーチャル参加」の両方が想定されている。

今回は「防衛」と「電気自動車(EV)」がメインテーマに設定され、120社以上の大企業の参加が見込まれているという。会期中に州政府との間で具体的な覚書を締結する可能性がある企業として、タタ・モーターズ、マヒンドラ&マヒンドラ、L & T、リライアンス・インダストリーズ、スズキ・モーターズなどの名前が挙がっている。また、グジャラート州政府は「Dholera 特別工業地域(SIR)」や「GIFTシティー」(新たな優遇税制でさらなる成長が望まれるGIFTシティー(ブラック)といった州内の経済特区への投資誘致をPRしたい意向とみられる、パテル州首相は10月初旬にドバイ万博に州政府ミッションを派遣し、現地で開催した「ドレラSIRに関する特別セッション」にオンライン参加した際にも、世界各国からの「VG2022」への参加を呼びかけている。

さらに、パテル首相は米国やデンマーク、ウガンダ、イスラエルなどの各総領事館に「VG2022」への参加を口頭で呼びかけていると言われ、今後順次パートナー国や各国の政府機関に呼びかけるもようだ。会期まで日程の余裕がない今回は、特に中央政府と州政府の連携により、中央政府の閣僚や高官をインド各州に派遣し、各州政府や産業界との会合を行うなど、開催準備を強力に進めるものとみられる。

過去の「VG」の開催事例では、(1)世界各国に政府高官を派遣しての事前ロードショーの開催(投資セミナー開催や企業訪問)、(2)会期中には各国パビリオンや民間企業ブースの設営、(3)各国からのハイレベルなビジネスミッションの現地訪問といった文字どおりの大規模イベントとなるため、会期の1年以上前から準備を始めるのが通例だった。新型コロナウイルス感染の影響の先行きがまだ不透明な中、会期まで数カ月というタイミングでの決定を受け、どのような内容や運営方法での開催になるのか、動向が注目される。

(古川毅彦)

(インド)

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