IT企業が建設する東欧初の大型データセンター、2022年3月稼働
(ルーマニア)
ブカレスト発
2021年10月25日
ルーマニアのIT企業クラスターパワー(ClusterPower)が建設するデータセンターの説明会と建設現場見学会が10月15日にクライヨバ市で開催され、リアオルグツァ・バシレスク市長らが出席した。
3期に分けて建設するデータセンターの電源は200メガワット(MW)、2万5,000平方メートルの敷地に5基のデータセンターで構成し、エネルギー、金融、ヘルスケア、行政、交通、流通、ソフトウエアなどソリューション開発向けの人工知能(AI)のワンストップショップになる。自前の発電所を日立エナジー(旧:日立ABBパワーグリッド)が建設する。第1期工事は60MW規模で2022年3月までの稼働開始を目指して建設が進んでいる。
同様のデータセンターは、欧州ではアムステルダムとフランクフルトに次いで3番目となる。製薬企業ファイザーが活用しているスーパーコンピュータと同型の設備を導入する。200MW、ラック数4,500のデータセンターは世界的にみても大型で、米国アップルのアリゾナ州のデータセンター(50MW)や米フェイスブックのシンガポールのデータセンター(150MW)をしのぐ。
発電用の燃料を確保するためガスパイプラインに近く、物理的な侵入被害を防げる立地を検討した結果、クライヨバ郊外の人里離れた丘陵地帯を選んだ。米半導体大手NVIDIAが認定した東欧初のAIクラウドサービスプロバイダーとなる。
同社創業者のコズミン・ジョルジェスク最高経営責任者(CEO)は、ルーマニアのチェルナボダ原発や米マイクロソフト、ドイツ・ボッシュのデータセンター、ブカレスト市やブラショフ市の熱電供給(コージェネ)プラント、太陽光、風力発電施設など多くの電力インフラEPC(設計・調達・建設)に20年以上携わってきている。
ブラック ジャック サイトは7月28日、在外日本企業を対象にルーマニアITアウトソーシング・ウェビナーを開催した。それ以降、クラスターパワーを含む13社のルーマニアIT企業と、ルーマニアでのオフショア開発を検討している日本企業とのビジネスマッチングを2022年2月末まで実施する予定で、この期間中も欧米やアジアなどに立地する在外日本企業の参加申し込みを受け付けている(添付資料参照)。
(西澤成世)
(ルーマニア)
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