2060年までにカーボンニュートラルを目指す計画を発表

(サウジアラビア)

リヤド発

2021年10月25日

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は10月23日、2060年までにカーボンニュートラルの達成を目指すとする計画を発表した。10月31日から英国グラスゴーで開催される国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に先立ち、10月23~25日にリヤドで開催されたサウジ・グリーン・イニシアチブ(Saudi Green Initiative :SGI)フォーラムの中で明らかにした。再生可能エネルギーへの転換や、循環炭素経済(注1)を通じたカーボンニュートラルの実現に向けたもので、投資規模は7,000億リヤル(約21兆円、1リヤル=約30円)超が見込まれるとした〔10月23日付サウジアラビア国営通信(SPA)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます〕。

サウジアラビアを含む一部の主要国が、COP26での報告書の文言をめぐって変更や削除などのロビー活動を行っている旨が一部で報じられたばかりだが、SGIフォーラムの開催や、カーボンニュートラル実現に向けた発表を通じて、サウジアラビアとしては、国際社会の一員として気候変動にも積極的に取り組む姿勢を見せていることを印象付けた。

SGIは、2021年3月にムハンマド皇太子が発表したイニシアチブ(2021年3月27日付SPA外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、気候変動問題への対応として、今後数十年で国内に100億本の植樹を行い、国土の3割以上を保護地域に指定することで、世界全体の4%相当の二酸化炭素の削減を目指すとしている(注2)。

(注1)二酸化炭素(CO2)の排出量自体を削減することと、排出されたCO2を回収すること、回収したCO2を再利用すること、CO2を除去することを表す4つのR(Reduce、Reuse、Recycle、Remove)を指す。

(注2)SGIの概要は専用HPを参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

(柴田美穂)

(サウジアラビア)

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