ローマ市長選で民主党候補者が勝利、他の主要都市でも中道左派が健闘

(イタリア)

ミラノ発

2021年10月21日

イタリアで、10月17日から18日にかけてローマ市長選挙の決選投票が行われ、中道左派の民主党に属すロベルト・グアルティエーリ氏が勝利した。ローマ出身の同氏は、2019年9月から第2次コンテ政権()で経済・財務相を務め、「新型コロナ禍」での経済対策をリードした経験を持つ。グアルティエーリ氏は今回の結果を受けて、ローマ市民に対して謝意を示し、「私の全ての力を注ぐ」と意気込みをみせている(公共放送RAI10月19日)。

グアルティエーリ氏は60.15%の得票率を獲得、中道右派のエンリーコ・ミケッティ氏(得票率:39.85%)を下し、次期ローマ市長となることが決まった(注1)。同氏の勝利に象徴されるように、他の主要都市でも中道左派の候補者が健闘した。同じく決選投票が行われた北部ピエモンテ州の州都トリノ市外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、中道左派のステファノ・ロ・ルッソ氏(59.23%)が中道右派のパオロ・ダミラーノ氏(40.77%)を抑えて勝利した。なおイタリアでは、人口が1万5,000人を超える都市の場合、市長となる者は有効投票数の過半数を得る必要があり、1回目の投票で過半数を得る候補者がいなかったローマとトリノは、上位2人による決選投票が行われた。

10月3日から4日にかけて行われた他の主要都市の選挙では、決選投票に進まず勝敗が決定している。ロンバルディア州ミラノ市外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、現職の左派ジュゼッペ・サーラ氏が再選、そのほか、エミリア=ロマーニャ州のボローニャ市外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます、カンパーニア州のナポリ市外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでも左派候補者が勝利し、中道左派の勢いを印象付けた。一方、イタリア北東部フリウリ=ベネツィア・ジュッリャ州の港湾都市トリエステ市外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、右派候補者が制した(注2)。

現地主要紙「イルソーレ24オーレ」は10月19日、今回のイタリア各地における一連の市長選の結果について、「数年前から、かつイタリア以外でもみられる傾向、すなわち大都市では進歩的で主導的な力がみられ、小都市では中道右派の力がより強い傾向を表している」と指摘している。

(注1)得票率は、10月18日時点の「コリエーレデラセーラ」ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに基づく。なお、公式結果は、ローマ市ウェブページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますには、日本時間10月21日午後2時時点で未掲載。

(注2)トリエステ市も1度目の投票で過半数を得た候補者がいなかったため、10月17~18日に決選投票を実施。

(山崎杏奈)

(イタリア)

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