米大統領補佐官、中国外交トップとの会談で責任ある競争関係の管理を議論
(米国、中国)
ニューヨーク発
2021年10月07日
米国バイデン政権のジェイク・サリバン大統領安全保障補佐官は10月6日、スイスで行われた中国の楊潔篪・共産党中央政治局委員との対面会談の要旨を発表した。双方の対面での会談は、2021年3月に米国アラスカ州で行われた初会談以来となる()。
今回の会談では、ジョー・バイデン大統領と習近平国家主席が9月に行った2回目の電話会談(2021年9月13日記事参照)を受け、両国の競争を責任あるかたちで管理するために、開かれたコミュニケーションを維持することの重要性が議論されたと発表されている。サリバン補佐官は会談の中で、両国が利益を共有して協力できる分野と、米国として懸念している中国側の行動を指摘した、としている。前者については具体的な分野は言及していないが、後者については人権、新疆ウイグル自治区、香港、南シナ海、台湾を含む分野に言及している。対中通商関係については、10月4日にキャサリン・タイ通商代表部(USTR)代表が、近く中国との対話を再開すると発表したが(2021年10月5日記事参照)、今回の会談では触れられなかったようだ。会談要旨の最後では、サリバン補佐官が、米国として自国への投資と同盟・友好国との連携を継続するとともに、中国政府の高いレベルへの関与を続けて、責任あるかたちでの競争を確かなものにすることを明確にした、としている。
米中両国はここ数日、台湾近辺での中国による行動を受けて緊張が高まっている。パリを訪問中のアントニー・ブリンケン国務長官は10月6日、現地での記者会見で、「米国は中国による台湾近辺での挑発的な軍事行動に強い懸念を抱いている」とし、中国政府に対して「台湾に向けた軍事的、外交的そして経済的圧力や強制をやめるよう強く求める」と発言している。
(磯部真一)
(米国、中国)
ビジネス短信 4e8b4315374a8724