中小・ベンチャー企業部、「素材・部品・装置分野スタートアップ企業100」を選定

韓国の中小・ベンチャー企業部は10月15日、2021年の「素材・部材・装置分野スタートアップ企業100」の20社を発表した（注1）。また、20社の中から、「分野別優秀企業」として5社を選定した。分野別優秀企業の概要は以下のとおり。

1．複合素材分野：ケービーエレメント（2016年9月1日設立）

5G（第5世代移動通信システム）モバイル半導体、電気自動車のバッテリーパックなどから発生する熱を制御するため、高効率放熱素材のグラフェン（注2）を融合した新素材を開発。

2．スマートエンジニアリング分野：イーフロー（2017年1月26日設立）

水素燃料電池マイクロモビリティ用の軸方向巻線型電気推進モジュールを開発。

3．産業用IoT（モノのインターネット）分野：スマートレーダーシステム（2017年10月16日設立）

MIMO（注3）アンテナ設計技術と特許を取得した信号技術により、複数点のみで検知されていたモノを形状で検知する技術を確立し、自動運転車および産業用4次元イメージレーダーを開発。

4．融合バイオ分野：ジーブレイン（2019年8月15日設立）

不浸透性、高い電気伝導性、生体接合性を持った人体通信技術を使った無線チップで、リアルタイムの脳疾患診断・治療が可能となる医療機器を開発。

5．エコ分野：コサンテック（2015年12月7日設立）

ペロブスカイト型太陽電池（注4）の量産に必要な専用インクジェットモジュールを開発。

（注1）2020年から2024年にかけて毎年20社を選定し、5年間で100社のスタートアップ企業を発掘する事業。

（注2）炭素原子のシート状物質。

（注3）multiple-input and multiple-outputの略。無線通信の通信品質を向上させること。

（注4）ペロブスカイト（結晶構造の材料）を用いた太陽電池。フィルム型は薄型軽量で多様な場所に設置可能。

（当間正明）