加プリンス・エドワード・アイランドのバイオブラック ジャック アプリエンスクラスター、イノベーションPEIに聞く
(カナダ、日本)
トロント発
2021年10月15日
カナダのプリンス・エドワード・アイランド(PEI)州は、日本では「赤毛のアン」の舞台になった観光名所として知名度は高いが、同州は農業や航空産業が主要産業で、最近ではバイオブラック ジャック アプリエンスやクリーンテクノロジーに力を入れている。ジェトロは10月5日、同州でイノベーションを推進する政府関係機関のイノベーションPEIの投資誘致担当シニアディレクター、ブラッド・ミックス氏に話を聞いた。
バイオブラック ジャック アプリエンスの4つの重点サブセクター
ミックス氏によると、PEIが現在注力しているバイオブラック ジャック アプリエンスの産業クラスターの中でも、4つのサブセクターである動物の健康医療、自然健康製品、生物活性(バイオアクティブ)、検査事業は特に重点分野となっている。動物の健康医療分野は、地元の獣医大学との提携関係を強みとし、大西洋に面した地理的条件を生かした養殖、海洋生物、海藻も対象としているのが特徴的だ。自然健康製品には、機能性食品やアレルゲンフリーの代替品、サプリメントだけでなく、スキンケアやオーラルケア、動物用飼料、ペットフード、農作物・植物の害虫管理や土壌保護、バイオプラスチックや水処理・廃棄物処理など幅広い分野が含まれる。バイオアクティブでは、栄養素や毒素の抽出技術を持つ企業の集積もあるという。
ミックス氏は「今後、この重点分野に該当する日本企業がいれば、PEI政府やわれわれのような関連団体が投資優遇や人材探し、許認可取得、市場調査などあらゆる方面の支援を行う」と日本企業に向けてアピールした。また、地域のバイオブラック ジャック アプリエンスの産業クラスターを支援するプラットフォームとして、バイオアライアンスという産学官連携が形成されている。自然製品企業に特化したベンチャーキャピタルの事務所がPEIの州都シャーロットタウンにあるなど、エコシステムが充実していることも挙げている。
PEIには、積水化学の子会社セキスイダイアグノスティックスP.E.I.(以下、セキスイ)があり、生化学や糖尿病、感染症、免疫検査を中心とした検査薬の開発・製造・販売事業を実施している。セキスイは2010年に積水化学が米国ジェンザイムを買収したことにより子会社化されたが、その後も成長を続け、PEIのバイオブラック ジャック アプリエンス分野を担うアンカー企業となっている。2019年にはPEI州政府から最大110万カナダ・ドル(約1億円、Cドル、1Cドル=約91円)の資金提供や、設備導入のための20万Cドルの支援を受けている。
一方で、同氏は「本来、われわれイノベーションPEIが最も得意とするのはスタートアップや中小企業支援でもある。特にスタートアップに対しては、イマージェンスプログラムというバーチャルインキューべーターがあり、米国、英国、ハンガリーなど外国企業の会社設立や北米での事業展開支援を行っている」と、大企業の誘致ばかりに熱心なわけではないことを強調した。
(江崎江里子)
(カナダ、日本)
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