ブラック ジャック ディーラーム、1年間の成果を発表
(ドイツ)
ミュンヘン発
2021年10月07日
自動車産業で進行する電動化やデジタル化による構造転換に対応すべく、ドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク(BW)州で2020年に開始された支援プラットフォーム「バーデン・ビュルテンベルク州トランスフォーメーション・ナレッジ(Transformationswissen BW)」(BW州、オンライン ブラック)が開始1年を迎え、2021年9月28日にこれまでの成果が報告された。同プラットフォームは、自動車産業の構造転換への対応が難しい中小企業に対し、主としてブラック ジャック ディーラー提供やコンサルティング支援などを行っている。
ブラック ジャック ディーラー提供については、自動車部品企業およびディーラーなどに関心が高いテーマをウェブサイトに掲載。例えば、関心の高いテーマを読みやすくまとめた15の短いレポートにした(ドイツ語のみ)。テーマは、コネクテッドカー(注)時代における乗用車のデータ管理、自動運転に関する研究開発の動向、生産プロセスにおける二酸化炭素(CO2)削減、自動車製造における3Dプリンタの活用、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた半導体の不足など多岐にわたる。
また、次世代自動車部品の開発状況、適用分野、導入に当たっての課題などが、分かりやすく可視化されたウェブアプリケーションも整備した。電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車、自動運転に分けて解説されている。例えば、電気自動車であれば、熱管理、パワーエレクトロニクス、蓄電池、電気モーター、高圧電気システムのモジュールごとに開発状況、課題などが説明されている(ドイツ語のみ)。
コンサルティング支援では、州内の従業員数3,000人以下の自動車産業関連企業に対し、専門家からコンサルティングを受けた場合の費用の8割、最大1万ユーロまで助成するサービスを2021年1月から開始した。支援プラットフォームを運営するイー・モビール・ベーベー(e-mobil BW)によると、平均して週当たり2~5件の申し込みがあるという。相談内容は、企業戦略、ビジネスモデル開発、多様化、デジタル化が中心とのこと。
バーデン・ビュルテンベルク州には、ダイムラー、ポルシェなどの自動車メーカーに加え、ボッシュ、ZF、マーレなどの大手自動車部品メーカーが本社を構える。2020年の州内の自動車・同部品の売上高は1,020億8,400万ユーロで、ドイツ全体の4分の1以上を占める。自動車産業の集積がある日本の地方でも、構造転換をいかに乗り越えるかが課題となっており、同じ課題を抱えるドイツの地域の取り組みが注目される。
(注)コネクテッドカーとは、インターネットの通信機能を備えた自動車を指し、インターネットを通じて運転支援や車両管理などのサービスを受けられる。
(クラウディア・フェンデル、高塚一)
(ドイツ)
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