英政府系開発金融がアフリカ港湾への投資を発表
(英国、アフリカ、アラブ首長国連邦、エジプト、セネガル、ソマリア)
ロンドン発
2021年10月21日
英国政府系開発金融のCDCグループは10月12日、アフリカ各地の港湾のインフラ開発を支援するために、当初3億2,000万ドルを投資し、今後数年間でさらに最大4億ドルを投資することを発表した。CDCグループは、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを拠点とする港湾管理会社DP(ドバイ・ポーツ)ワールドとパートナーシップを結び、エジプトのスクナおよびセネガルのダカール、ソマリアのベルベラといった既存の港湾への投資を皮切りに、アフリカ全土の港湾と内陸物流の近代化と拡大を支援する。これに加えて、DPワールドは既存の上記3つの港湾に対し、今後数年間で10億ドルを投資する予定だ。
CDCグループは、海港やフリーゾーン、内陸貨物管理施設、内陸物流拠点、内陸輸送の発展を支援することを通じて、2035年までに、3,500万人に対する生活必需品の供給を改善するほか、500万人の雇用支援、510億ドル規模の貿易額の拡大を見込んでいる。同社は、貿易、雇用、事業拡充といった多岐にわたる分野を支援し、さまざまな角度から貿易大国としてのアフリカの可能性を加速させ、経済成長を後押しするとしている。
エリザベス・トラス外務・英連邦・開発相は、「同盟国やパートナーと協力し、途上国のクリーンで信頼できるインフラに資金を提供している」とした上で、「CDCグループとDPワールドによる新しいパートナーシップは、アフリカ諸国における雇用創出と経済成長を促進し、アフリカの数万人の生活を豊かにすることに貢献する」と期待を述べた。また、DPワールド会長のスルタン・ビン・スレイヤム氏も、「DPワールドは長期的にアフリカにコミットし、将来的に広大な成長の可能性を期待する」と述べた上で、「DPワールドの港湾および物流に関する深い知識と、CDCグループのアフリカにおけるインフラ投資の専門性を組み合わせることで、サプライチェーンをより効率化させ、貿易の接続性を改善し、利害関係者への価値を高めることになる」と前向きな姿勢を示した。
(オステンドルフ・七海・ありさ)
(英国、アフリカ、アラブ首長国連邦、エジプト、セネガル、ソマリア)
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